<海自自殺控訴審>「いじめ調査結果あった」3佐が陳述書
毎日新聞 6月18日(月)2時31分配信
海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の護衛艦「たちかぜ」勤務中の04年に自殺した男性1等海士(当時21歳)の遺族が、先輩のいじめが原因として国などに賠償を求めた訴訟の控訴審で、国側の元指定代理人が「国は関係資料を隠している」との陳述書を提出したことが分かった。この資料について国は、原告側の情報公開請求に「不存在」と回答していた。原告側は元代理人を証人に申請しており、東京高裁は18日の口頭弁論で採否を決める見通しだ。
この元指定代理人は現職自衛官の3等海佐。指定代理人は、国の利害に関係のある訴訟で法相が行政職員から指定し、国側の立場で訴訟を担当する。3佐は提訴時の06年4月から07年1月まで務めた。
この資料は横須賀地方総監部が1士の自殺後、たちかぜの乗員に実施した「艦内生活実態アンケート」の結果など。
原告側によると、提訴前、海上自衛隊にアンケート結果などを情報公開請求した。この際、国側はアンケートのフォーマット(質問内容)だけを開示し、実際に隊員が書き込んだ原本については「不存在」と回答していた。
3佐は陳述書の中で、提訴直後に海上幕僚監部の情報公開室から「アンケート結果は存在しているが、破棄したことになっているのでフォーマットだけ公開した」との説明を受けたとしており、実際にアンケート結果も確認したという。3佐は陳述書で「行政がうそをつけば、民主主義の過程がゆがめられる」と防衛省や海上自衛隊の体質を批判している。【山下俊輔】
【訴訟の経緯】
海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」に勤務していた1等海士(当時21歳)が04年10月、東京都内で電車に飛び込み自殺した。両親は06年4月、自殺は先輩の元2等海曹のいじめが原因として、国と元2曹に約1億3000万円の賠償を求めて提訴。横浜地裁は昨年1月、元2曹の暴行や恐喝を認定して計440万円の賠償を命じ「自殺の重要な原因」とまで指摘したが「自殺までは予測できなかった」として死亡に対する賠償は認めなかった。原告は控訴し、東京高裁で裁判が続いている。元2曹は別の隊員への暴行と恐喝罪で起訴され、横浜地裁横須賀支部が05年1月に懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡し、確定。懲戒免職となった。
最終更新:6月18日(月)12時40分
この三等海佐は、偉いと思う。
国の隠蔽体質を、自ら代表して裁判で、陳述している。
国は、この三等海佐には、文句は言えない。
暗黒の稲妻
毎日新聞 6月18日(月)2時31分配信
海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の護衛艦「たちかぜ」勤務中の04年に自殺した男性1等海士(当時21歳)の遺族が、先輩のいじめが原因として国などに賠償を求めた訴訟の控訴審で、国側の元指定代理人が「国は関係資料を隠している」との陳述書を提出したことが分かった。この資料について国は、原告側の情報公開請求に「不存在」と回答していた。原告側は元代理人を証人に申請しており、東京高裁は18日の口頭弁論で採否を決める見通しだ。
この元指定代理人は現職自衛官の3等海佐。指定代理人は、国の利害に関係のある訴訟で法相が行政職員から指定し、国側の立場で訴訟を担当する。3佐は提訴時の06年4月から07年1月まで務めた。
この資料は横須賀地方総監部が1士の自殺後、たちかぜの乗員に実施した「艦内生活実態アンケート」の結果など。
原告側によると、提訴前、海上自衛隊にアンケート結果などを情報公開請求した。この際、国側はアンケートのフォーマット(質問内容)だけを開示し、実際に隊員が書き込んだ原本については「不存在」と回答していた。
3佐は陳述書の中で、提訴直後に海上幕僚監部の情報公開室から「アンケート結果は存在しているが、破棄したことになっているのでフォーマットだけ公開した」との説明を受けたとしており、実際にアンケート結果も確認したという。3佐は陳述書で「行政がうそをつけば、民主主義の過程がゆがめられる」と防衛省や海上自衛隊の体質を批判している。【山下俊輔】
【訴訟の経緯】
海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」に勤務していた1等海士(当時21歳)が04年10月、東京都内で電車に飛び込み自殺した。両親は06年4月、自殺は先輩の元2等海曹のいじめが原因として、国と元2曹に約1億3000万円の賠償を求めて提訴。横浜地裁は昨年1月、元2曹の暴行や恐喝を認定して計440万円の賠償を命じ「自殺の重要な原因」とまで指摘したが「自殺までは予測できなかった」として死亡に対する賠償は認めなかった。原告は控訴し、東京高裁で裁判が続いている。元2曹は別の隊員への暴行と恐喝罪で起訴され、横浜地裁横須賀支部が05年1月に懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡し、確定。懲戒免職となった。
最終更新:6月18日(月)12時40分
この三等海佐は、偉いと思う。
国の隠蔽体質を、自ら代表して裁判で、陳述している。
国は、この三等海佐には、文句は言えない。
暗黒の稲妻