<ルネサス>500億円融資 母体3社が債務保証
毎日新聞 6月14日(木)2時30分配信

 業績不振に陥っている半導体大手、ルネサスエレクトロニクスは13日、経営再建に使う資金を確保するため、三菱東京UFJ銀行など主力取引先4行から計500億円規模の新規融資を受ける方向で最終調整に入った。関係筋が明らかにしたもので、融資にはルネサスの設立母体で大株主の日立製作所、三菱電機、NECの3社が債務保証を付ける。

 ルネサスは今回の新規融資要請とは別に、取引先銀行から必要に応じていつでも資金を借り出せる五百数十億円規模の「コミットメントライン(融資枠)」を設定している。この分も合わせて最大1000億円規模の資金を確保。従業員の約3割に当たる約1万2000人の人員削減などを柱とした再建計画の策定を急ぐ方針だ。

 債務保証は企業が銀行などから資金を借り入れる際、第三者(保証人)が将来の返済を保証する仕組み。借り入れた企業が経営悪化で返済できなくなれば、保証人が返済を肩代わりする。業績不振のルネサスに対する新規融資について、主力4行(三菱東京UFJ、みずほコーポレート、三井住友信託、三菱UFJ信託)は慎重に検討してきたが、母体3社の債務保証を条件に応じる見通しだ。

 ルネサスは当初、再建資金の確保で第三者割当増資を計画。赤尾泰社長が今月1日、日立など母体3社トップと会談、計1000億円規模の第三者割当増資の引き受けを打診した。しかし、3社はNECエレクトロニクスとの合併による10年4月のルネサス発足時にも計2000億円の増資を引き受けた経緯があり、追加出資に慎重姿勢を示していた。特に12年3月期まで2期連続最終(当期)赤字で自らも1万人の人員削減を進めるNECは「これ以上の金を出さないスタンス」(同社首脳)としていた。NECも当面の資金拠出が必要ない債務保証は受け入れる方向で、ルネサス支援の枠組みがようやく固まることになった。【大久保陽一】

最終更新:6月14日(木)2時30分

業績不振に陥っている半導体大手、ルネサスエレクトロニクスは13日、経営再建に使う資金を確保する為、三菱東京UFJ銀行など主力取引先4行から計500億円規模の新規融資を受ける方向で最終調整に入った様だ。

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