<プリウス盗難>2年で19倍…低燃費、静かさを悪用か
毎日新聞 6月14日(木)2時30分配信


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盗難が急増中のプリウス=愛知県警提供
 トヨタ自動車の人気ハイブリッド車「プリウス」が11年に全国で盗まれた台数が514台と、09年の19倍に急増していることが警察庁などへの取材で分かった。エコカー人気に乗じ、転売目的で狙われやすくなったと捜査関係者は分析している。電子ロック式盗難防止装置「イモビライザー」を解除する機器「イモビカッター」が出回っていることも一因と見て、警察当局は警戒を強めている。【岡大介】

【プリウスは人気】国内新車販売で12カ月連続首位

 警察庁や損保業界団体などのまとめによると、プリウスの盗難台数は09年は27台だけだった。しかし、10年は前年比約8倍の209台、11年は同約2.5倍の514台に上った。日本自動車販売協会連合会などのまとめでは、プリウスの11年度の国内新車販売台数は約31万台で、3年連続で車種別1位。人気の高まりや流通量の増加に伴い、転売目的の盗難が増えたとみられている。

 自動車盗難件数が4年連続で全国最悪の愛知県では、車上狙い容疑者が、燃費の良さに目を付けて盗んだプリウスに乗って車上狙いを繰り返し、動かなくなると乗り捨て、別のプリウスを再び盗んで逮捕されたケースもあったという。捜査関係者は「低速時の走行音が静かなため、犯罪者からすると使い勝手が良いのかもしれない」と推測している。

 プリウスには03年9月以降発売のモデルから、盗難防止装置のイモビライザーが標準装備された。車の鍵に埋め込まれた電子チップの暗号と車両側の暗号が一致しないとエンジンが始動しない仕組みだ。だが、ロックを解除するイモビカッターが2~3年前から出回り、これが盗難急増の一因と指摘する捜査関係者もいる。愛知県警はイモビカッターの所持や販売を規制する県条例制定を検討中だ。

 トヨタ自動車広報部は「最新型プリウスに装備したイモビライザーには、イモビカッター対策もあるが、イタチごっこの面もあるかもしれない。ユーザーには二重三重の防犯対策を勧めている」と話している。

最終更新:6月14日(木)12時8分

トヨタ自動車の人気ハイブリッド車「プリウス」が11年に全国で盗まれた台数が514台と、09年の19倍に急増している事が警察庁などへの取材で判った様だ。

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