露、アサド退陣容認 シリア国民の合意 条件
産経新聞 6月10日(日)7時55分配信

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのラブロフ外相は9日の記者会見で、反体制派への武力弾圧を続けるシリアのアサド政権について、シリア国民の決定であるならばアサド大統領の退陣を容認するとの考えを示した。外相は、シリアへの軍事介入や欧米諸国の主唱する制裁強化には反対の立場を改めて強調。その一方、自国の意向を反映した外交的決着がなされるならば、アサド氏の処遇には拘泥しないことを示唆した形だ。

 ラブロフ外相は「公然と(シリアの)武装集団と反体制派を支援している外国勢力がある」と述べ、シリアに対する圧力強化を訴える欧米などを暗に批判した。さらに、諸外国による介入は「(中東情勢の)深刻な不安定化を招く」と警告した。また、アサド政権と反体制派の双方に停戦を求めているアナン前国連事務総長の調停を支援するため、ロシアやイランを含む国際会議の開催を提唱した。シリア問題をめぐり、欧米やアラブ連盟が主導的役割を果たすのを避ける思惑があるとみられる。

 他方でラブロフ外相は「シリア国民の対話に外部から条件を課すことは容認できない」としつつも、「国民が(アサド退陣に)合意するなら、ロシアはそのような結末を喜んで支持するのみだ」と発言した。

 アサド政権を擁護してきたロシアがここにきて、アサド大統領の辞任を条件に体制を温存し、反体制派に妥協を促す「イエメン型の権力移譲」を模索しているとの観測が強まっている。

最終更新:6月10日(日)9時46分

どんな体制になろうともこれだけ血を流したアサドを国民は許すまい。

暗黒の稲妻