ECB総裁が危機解決は政府責任と再表明、目先の支援の可能性否定
ロイター 6月6日(水)21時42分配信


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6月6日、欧州中央銀行(ECB)は、主要政策金利であるリファイナンス金利を1.00%に据え置いた。写真はフランクフルトのECB前で1月撮影(2012年 ロイター/Lmar Niazman)
[フランクフルト 6日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は6日、主要政策金利であるリファイナンス金利を1.00%に据え置いた。

【特集】欧州債務危機

理事会後の記者会見でドラギ総裁は、金融政策をもって他の機関による政策の欠如を補完することは誤っていると述べ、目先の長期資金供給オペ(LTRO)の可能性を否定。ユーロ圏債務危機解決の責任は各国政府にあるとの立場を明確にした。

スペイン銀行セクターが危機の新たな震源になり不安が高まる中で、ユーロ圏の政府がより大胆な対策に乗り出せば、ECBが追加措置を講じる構えを見せるのではとの見方も一部では出ていた。だがドラギ総裁は、近く支援が実施されるとの期待に水を差した。

「ユーロ圏の問題の一部は、金融政策とは全く関係がない」とし、「他の機関による行動の欠如を、金融政策をもって穴埋めすることが正しいとは思わない」と指摘。「ここに駆け引きのようなものはない」とし、政府と中央銀行の間に埋め合わせは存在しないと言明した。

ECBはこれまでに2回にわたりLTROを実施し、総額1兆ユーロを超える3年物資金を銀行システムに供給。これにより一時は債券市場の緊張が和らいだものの、このところはスペインの国債利回りが上昇するなど、影響は薄れ始めている。

だが総裁は、近く3度目のLTROや債券買い入れを実施する見込みは薄いことを示唆した。

LTROの追加実施に関して問われると、「今問題となっているのは、こうしたLTROが実際に効果があるのかということだ」と答えた。

ECBはこの日の理事会で、下限金利の中銀預金金利も0.25%に、上限金利の限界貸出金利も1.75%に、それぞれ据え置いた。ドラギ総裁は、この日の決定は「幅広いコンセンサス」によるものだったと述べ、全会一致による決定ではなかったことを示唆。数人のメンバーが利下げを支持したが、その数は多くなかったとしている。

ベレンバーグ銀行のエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は、ECBが7月に利下げするかどうかは議論の余地があると指摘する。ECBはこれまで、リファイナンス金利を1%以下に引き下げたことはない。

同氏は「LTROや債券買い入れという2つの重要な非標準的措置について、ECBは再び実施するかどうか何も示唆しなかった」とし、「7月に実施される可能性のある利下げ以上の措置をECBが行うには、金融の緊張がさらに大きく高まる必要があることを示している」と述べた。

ドラギ総裁は、市場の緊張はECBがLTROを実施した昨年暮れの水準に戻ってはいないとの認識を示し、リーマン・ブラザーズが破綻えした2008年9月当時の状況からは程遠いと強調した。

ECBはこの日に発表したユーロ圏経済に関するスタッフ予想で、2012年の成長率予想をマイナス0.5%─プラス0.3%とし、ユーロ圏への脅威が増大しているものの前回予想を据え置いた。2013年の予想は0.0%─プラス2.0%。前回予想は、0.0%─プラス2.2%だった。

ドラギ総裁は成長予想をおおむね据え置く一方で、「ユーロ圏の経済見通しは一段の下方リスクにさらされている。とりわけ、複数のユーロ圏金融市場におけるさらなる緊張の高まりや、その影響がユーロ圏の実体経済に波及する可能性に絡んだリスクにさらされている」と指摘し、ユーロ圏への脅威が増大しているとの考えを示した。

今回の政策決定を受け、ユーロは1.25ドルとほぼ横ばいで推移。このところ売り込まれていた欧州主要株価指数のFTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.2%高で取引を終えた。

<ECBが抱えるジレンマ>

スペインで銀行危機が深刻化するなか、ユーロ圏債務危機は新たな局面を迎えており、欧州連合(EU)首脳の間では、欧州の経済統合強化を検討する動きも出ている。ただこうしたことには時間がかかるため、欧州債務危機への対策で主要な役割を果たす機関は当面はECBとなるとの見方が根強い。

ただドラギ総裁は、「前回の欧州理事会の会合で首脳らが経済および金融同盟に関する長期的ビジョン反映に向けた取り組みの強化で合意したことを、ECB理事会は歓迎する」とし、「ECB理事会はこれを極めて重要な一歩と考えている」と述べた。

スピロ・ソブリン・ストラテジーのマネジングディレクター、ニコラス・スピロ氏は「ECBは当面、経済と金融市場が悪化するのを看過する」とし、「きょうのECBからのメッセージは懸念だ。ユーロ共同債はかなり先のことで、信頼感改善に向けた信頼ある一時的な方策も近く打ち出されることはないだろう」と述べた。

ECBは難しい立場に置かれている。踏み込んだ支援措置に乗り出せば、改革を迫る政府への圧力を和らげかねない。だが何も手を打たなければ、重債務国の資金調達環境は悪化の一途をたどり、自国のソブリン債を多く抱える当該国の銀行に対する信頼感を維持することが困難になる。

ドラギ総裁はまた、ユーロ圏の銀行に対し、少なくとも2013年1月15日まで、ECBは無制限で資金を供給し続ける方針を表明。ECBは前年10月、少なくとも今年の7月10日まで無制限での資金供給を続けるとしていた。

ECBの政策に関しては、6月17日に実施されるギリシャの再選挙、および6月末に開催されるEU首脳会議まで、据え置かれるとの予想が大勢となっていた。またスペイン銀への支援に関する決定も6月末までに下される可能性が高まっている。

*内容をさらに追加して再送します。

最終更新:6月7日(木)11時53分

欧州中央銀行(ECB)は6日、主要政策金利であるリファイナンス金利を1.00%に据え置いた様だ。

暗黒の稲妻