<竜巻1カ月>「全壊」件数で補償に格差 茨城と栃木
毎日新聞 6月6日(水)11時48分配信

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全壊判定を受けた自宅の状況を建築士に説明する中里秀昭さん(右)=栃木県真岡市西田井で、岩壁峻撮影
茨城、栃木県で住宅1200棟以上が被災し、1人が死亡した竜巻から6日で1カ月。全壊家屋などを対象に最大300万円の支援金が支給される被災者生活再建支援法が、茨城県つくば市で適用される一方、栃木県の被災地については適用対象外になる見通しだ。「10世帯以上の住宅全壊」などの要件を被災自治体が満たしていないためで、同じ全壊家屋でも公的救済内容に格差が生じている。
【写真ドキュメント】5月6日、つくば市を襲った竜巻
支援法は阪神大震災をきっかけに、被災者の生活を国民全体で支えようとの機運が高まり、98年に成立した。竜巻などの風水害の場合は全壊(家屋全体に占める経済的被害の割合50%以上)と大規模半壊(同40%以上50%未満)の住宅に適用されるが、同法施行令は1市町村当たり全壊10世帯以上などを支給条件にしている。
栃木県によると、被災3市町では一部損壊を含め計467棟が被害を受けたが、全壊は、真岡市6棟▽益子町7棟▽茂木町0棟。一方、つくば市は全壊76棟と要件を満たしている。茨城県の他の被災4市に全壊はなかった。
栃木県の全壊計13棟は同じ竜巻による被害のため、福田富一知事は5月12日、視察に訪れた中川正春防災担当相に「3市町の被害を『一連の被害』ととらえてほしい」と柔軟な適用を求めた。しかし所管する内閣府は「運用基準を変えることはできない」との立場だ。県は支援法適用が困難と判断し、全壊世帯に独自に見舞金100万円を支給することを決めた。
自宅が全壊した真岡市の無職、中里秀昭さん(59)は「見舞金は建物の解体費に消えてしまう。自宅を建て直すめどは立っていない」と話す。
大分大の山崎栄一准教授(災害法制)は「支援法は竜巻のような比較的小規模な局所的災害を想定していない。被災地によって差が出ないように、全壊が1軒だけでも救済対象に含めた方が制度的にすっきりする」と指摘する。【岩壁峻】
◇半壊・一部損壊の支給金で修繕費賄えず
茨城県の場合も、被災した住宅計791棟のうち、支援法の適用対象となるのは、つくば市の102棟(全壊76棟、大規模半壊26棟)に過ぎない。同市だけでも対象外は520棟あり、市はこのうち半壊世帯(132棟)に最大35万円、一部損壊世帯(388棟)に同20万円を支給しているが、修繕費を賄うには足りず、負担が重くのしかかる。
同市北条地区の洋品店社長、土子隆輝さん(68)は自宅と店舗がいずれも「一部損壊」と判定された。自宅屋根はトタンや瓦がめくれるなどして穴が開き、今もブルーシートで風雨をしのぐ。「修繕のための借金は子どもに残してしまうかもしれない」と嘆く。
同地区の宝安寺は本堂を含む7棟がそれぞれ「一部損壊」。本堂の屋根には穴が開き、住職の法雨(みのり)浩成さん(60)は「屋根を直す時は足場を組むからお金がかかって大変だ」と話す。足場を組むだけで200万円かかるという。【安味伸一、山内真弓】
最終更新:6月6日(水)12時22分
茨城、栃木県で住宅1200棟以上が被災し、1人が死亡した竜巻から6日で1カ月経つが、全壊家屋などを対象に最大300万円の支援金が支給される被災者生活再建支援法が、茨城県つくば市で適用される一方、栃木県の被災地については適用対象外になる見通しの様だ。
暗黒の稲妻
毎日新聞 6月6日(水)11時48分配信
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全壊判定を受けた自宅の状況を建築士に説明する中里秀昭さん(右)=栃木県真岡市西田井で、岩壁峻撮影
茨城、栃木県で住宅1200棟以上が被災し、1人が死亡した竜巻から6日で1カ月。全壊家屋などを対象に最大300万円の支援金が支給される被災者生活再建支援法が、茨城県つくば市で適用される一方、栃木県の被災地については適用対象外になる見通しだ。「10世帯以上の住宅全壊」などの要件を被災自治体が満たしていないためで、同じ全壊家屋でも公的救済内容に格差が生じている。
【写真ドキュメント】5月6日、つくば市を襲った竜巻
支援法は阪神大震災をきっかけに、被災者の生活を国民全体で支えようとの機運が高まり、98年に成立した。竜巻などの風水害の場合は全壊(家屋全体に占める経済的被害の割合50%以上)と大規模半壊(同40%以上50%未満)の住宅に適用されるが、同法施行令は1市町村当たり全壊10世帯以上などを支給条件にしている。
栃木県によると、被災3市町では一部損壊を含め計467棟が被害を受けたが、全壊は、真岡市6棟▽益子町7棟▽茂木町0棟。一方、つくば市は全壊76棟と要件を満たしている。茨城県の他の被災4市に全壊はなかった。
栃木県の全壊計13棟は同じ竜巻による被害のため、福田富一知事は5月12日、視察に訪れた中川正春防災担当相に「3市町の被害を『一連の被害』ととらえてほしい」と柔軟な適用を求めた。しかし所管する内閣府は「運用基準を変えることはできない」との立場だ。県は支援法適用が困難と判断し、全壊世帯に独自に見舞金100万円を支給することを決めた。
自宅が全壊した真岡市の無職、中里秀昭さん(59)は「見舞金は建物の解体費に消えてしまう。自宅を建て直すめどは立っていない」と話す。
大分大の山崎栄一准教授(災害法制)は「支援法は竜巻のような比較的小規模な局所的災害を想定していない。被災地によって差が出ないように、全壊が1軒だけでも救済対象に含めた方が制度的にすっきりする」と指摘する。【岩壁峻】
◇半壊・一部損壊の支給金で修繕費賄えず
茨城県の場合も、被災した住宅計791棟のうち、支援法の適用対象となるのは、つくば市の102棟(全壊76棟、大規模半壊26棟)に過ぎない。同市だけでも対象外は520棟あり、市はこのうち半壊世帯(132棟)に最大35万円、一部損壊世帯(388棟)に同20万円を支給しているが、修繕費を賄うには足りず、負担が重くのしかかる。
同市北条地区の洋品店社長、土子隆輝さん(68)は自宅と店舗がいずれも「一部損壊」と判定された。自宅屋根はトタンや瓦がめくれるなどして穴が開き、今もブルーシートで風雨をしのぐ。「修繕のための借金は子どもに残してしまうかもしれない」と嘆く。
同地区の宝安寺は本堂を含む7棟がそれぞれ「一部損壊」。本堂の屋根には穴が開き、住職の法雨(みのり)浩成さん(60)は「屋根を直す時は足場を組むからお金がかかって大変だ」と話す。足場を組むだけで200万円かかるという。【安味伸一、山内真弓】
最終更新:6月6日(水)12時22分
茨城、栃木県で住宅1200棟以上が被災し、1人が死亡した竜巻から6日で1カ月経つが、全壊家屋などを対象に最大300万円の支援金が支給される被災者生活再建支援法が、茨城県つくば市で適用される一方、栃木県の被災地については適用対象外になる見通しの様だ。
暗黒の稲妻