金環日食に続け!! 天空の劇場 心待ち
産経新聞 6月2日(土)15時19分配信


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金星の太陽面通過(写真:産経新聞)
 ■部分月食 今月4日/金星の太陽面通過 6日/金星食 8月14日

 列島がわいた5月21日の金環日食に続き、今月6日には今世紀最後の「金星の太陽面通過」がある。太陽の前を横切る金星が黒い小さな点となって見える現象で、各地で観察会が予定されている。今年はさらに、部分月食(今月4日)や金星が月に隠れる「金星食」(8月14日)といった珍しい天体ショーが続く“当たり年”となっている。

【フォト】2004年6月に国内で観測された金星の太陽面通過

 ◆今世紀では最後

 国立天文台によると「金星の太陽面通過」は、太陽と地球の間に金星が入り込むことで発生。6日午前7時10分から午後1時47分ごろにかけ、小さな黒いほくろのような点が、太陽の表面をゆっくり移動する。

 前回は平成16年6月8日で8年ぶりだが、次回は105年後とあって、今世紀最後の観測チャンスだ。

 金環日食で使用した「日食グラス」を使えば、全国各地で観察が可能だが、木漏れ日を使う方法は避けた方がよいという。「見かけ上の金星の直径が太陽の約3%と小さく、太陽面通過の様子が分かりにくい」(国立天文台)ためだ。

 ◆観測準備も着々

 世紀の天体ショーを観測しようと、6日が休館日だった神戸市立青少年科学館(神戸市中央区)は特別開館。午前9時半から午後1時半に観察会を行う。望遠鏡を使って太陽を投影板に映し出すほか、プラネタリウムでも太陽面通過を生中継する。

 16年の前回は天候が悪く、神戸市などでは観測できなかったといい、学芸員の上妻(こうづま)玲香さんは「実際に見たことがある学芸員はおらず、みな心待ちにしています」と話していた。

 また、その名もずばり「金星台」という広場がある諏訪山公園(同市中央区)は、138年前の明治7年にフランス観測隊が金星を観察した記録が残る場所。この金星台でも午前7時~午後2時、同館協力で観測会が開かれる。

 大阪市立科学館(大阪市北区)も6日正午から観測会を開く。

 金環日食フィーバーもあってか、問い合わせが相次いでいるといい、学芸員の飯山青海さんは「金環日食に比べれば地味な天体現象。参加者は少ないのではないかと思っていたがこの調子では増えそうだ」と話し、担当者の増員を検討しているという。

 ◆裾野拡大に期待

 太陽だけでなく、月にまつわる天体ショーも。4日夜には月が地球の影に入る部分月食があり、午後8時すぎに南東の空で満月の約4割が欠ける現象が見られる。西日本では月食が始まった状態で月が昇る。

 8月14日には夜空に輝く金星が月に隠れる「金星食」が23年ぶりに見られる。午前2時40分ごろに金星が月の裏に隠れはじめ、午前3時半ごろに再び現れるという。

 国立天文台天文情報センターの内藤誠一郎さんは「5~8月に天体ショーが集中する今年は当たり年。これを機に、天文ファンの裾野が広がれば」と期待を寄せている。

最終更新:6月2日(土)17時42分

どちらにしても天候がよくない無理だよね?

暗黒の稲妻