元徴用工に個人請求権 韓国最高裁 戦後補償で初判断
産経新聞 5月25日(金)7時55分配信

 【ソウル=加藤達也】第二次世界大戦当時に徴用された韓国人の元労働者9人が三菱重工業と新日本製鉄を相手取って損害賠償などを求めた裁判の上告審で、韓国最高裁は24日、原告側請求を棄却した2審判決を破棄、審理を高裁に差し戻した。原告敗訴が差し戻し審で見直される公算が大きくなった。

 判決は、1965年の日韓請求権協定について個人の請求権は消滅していないとの判断を初めて示した。今後、戦後補償をめぐり日本企業を相手取った同種の提訴が韓国内で続発する可能性があり、日韓間の新たな懸案となりそうだ。

 原告らは既に日本の広島、大阪両地裁に損害賠償と賃金の未払い分の支払いを求めて提訴。しかし時効による請求権の消滅などにより日本の最高裁で敗訴。その後韓国でも提訴したが、1、2審で敗訴、上告していた。

 争点となっていた日本での判決の有効性について韓国最高裁は「植民地支配は不法な強制的占拠」と明示。そのうえで「日本の判決を受け入れることは強制連行を違憲とした韓国憲法に反する」と判断した。

 原告側支援者らは、判決が原告勝訴で確定すれば韓国における日本企業の資産が差し押さえられると強調している。しかし企業側が拒んだ場合、差し押さえには公権力の行使が必要。これは韓国政府に対し、個人補償請求権問題が「完全かつ最終的」に解決したとする1965年の日韓請求権協定に反する対応を求めることになる。

最終更新:5月25日(金)12時54分

第二次世界大戦当時に徴用された韓国人の元労働者9人が三菱重工業と新日本製鉄を相手取って損害賠償などを求めた裁判の上告審で、韓国最高裁は24日、原告側請求を棄却した2審判決を破棄、審理を高裁に差し戻した様だ。

暗黒の稲妻