米フェイスブック・引受幹事を株主が提訴、情報開示めぐり
ロイター 5月24日(木)1時48分配信

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5月23日、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェイスブックの新規株式公開(IPO)をめぐり、事前に業績予想の引き下げを一部投資家にしか開示していなかったとして、株主らは、マンハッタン連邦裁判所に同社とモルガン・スタンレーなど引受幹事らを提訴した。写真はフェイスブックのロゴマーク。ベルンで19日撮影(2012年 ロイター/Thomas Hodel)
[23日 ロイター] 米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェイスブック<FB.O>の新規株式公開(IPO)をめぐり、事前に業績予想の引き下げを一部投資家にしか開示していなかったとして、株主らは23日、マンハッタン連邦裁判所に同社とモルガン・スタンレー<MS.N>など引受幹事らを提訴した。

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訴えられたのは、モルガン・スタンレーのほか、JPモルガン・チェース<JPM.N>、ゴールドマン・サックス<GS.N>、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>、バークレイズ<BARC.L>などの金融機関と、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)、デビッド・エバーズマン最高財務責任者(CFO)、その他複数の同社取締役。

原告側は訴状で、複数の引き受け金融機関の調査アナリストがフェイスブックの売上高見通しを「大幅に下方修正」しながら、「特定の投資家にのみ選別的にその情報を開示していた」と主張。上場後の株価下落で大きな損失を被ったとしている。

またフェイスブックは引受幹事らに対し、業績見通しを「著しく引き下げる」よう要請していた疑いが持たれている。

訴えを起こしたロビンズ・ゲラー・ルドマン・ダウドのパートナー、サミュエル・ルドマン氏は「主幹事がロードショーの最中に見通しを引き下げたにもかかわらず、全員にその情報を開示しなかった」とし、「フェイスブックの投資家でその情報を知りたくなかった人はいないと思う」と述べた。

原告側は集団訴訟の形をとりたい意向で、損害賠償などを求めている。

フェイスブックは5月9日当局に提出したIPOの目論見書で、ユーザーのサービス利用状況が携帯端末経由へとシフトしていると投資家に警告している。これを受け、複数の引き受け金融機関の調査アナリストは、同社の業績見通しを引き下げていた。

フェイスブックは、携帯端末からほとんど広告収入を得ておらず、こうしたユーザーの利用状況の変化が利益や売上高を下押しする可能性については言及していない。

株主はフェイスブックの事業リスクに関する情報開示は不十分で、一部の「優先」株主だけでなく、すべての投資家に情報提供を行うべきだったと主張している。

前日には、別の投資家がカリフォルニア州の裁判所に同様の訴えを起こしている。

またフェイスブック株の取引執行が正確に行われなかったとして、ナスダックOMXグループ<NDAQ.O>もマンハッタン連邦裁判所に提訴されている。

フェイスブックの広報担当は「訴訟に利点はなく、当社の正当性を徹底的に主張する」と述べた。

モルガン・スタンレーはコメントを控えた。

バークレイズ、ゴールドマンの広報担当はコメントを拒否。バンカメ、JPモルガンのコメントは現在のところ得られていない。

*内容を追加して再送します。

最終更新:5月24日(木)10時52分

上場したばかりなのにもう提訴とは。
やることが早い。
流石訴訟大国。