続々登場! 5型大画面スマホは日本でブレイクするか?
nikkei TRENDYnet 5月22日(火)11時1分配信


NTTドコモが2012年4月に発売した「GALAXY Note SC-05D」(サムスン電子製)を皮切りに、5型クラスの大きなディスプレイを採用したスマートフォンが相次いで登場している。なぜ、一般的なスマートフォンより大きなサイズの端末が市...
 NTTドコモが2012年4月に発売した「GALAXY Note SC-05D」(サムスン電子製)を皮切りに、今年は5型クラスの大きなディスプレイを採用したスマートフォンが相次いで登場している。5型クラスといえば、スマートフォンとタブレットデバイスの中間に位置する大きさだ。なぜ、一般的なスマートフォンより大きなサイズの端末が市場に現れたのだろうか。そして、このクラスの端末は、どこまで日本市場に受け入れられようとしているのだろうか。

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5型スマホは、サムスン電子の対アップル戦略から生まれた

 5型クラスのスマートフォンは、NTTドコモの夏モデルにおいて、GALAXY Noteに続いて「Optimus Vu: L-06C」と「ELUGA power P-07D」が発表された。このクラスの端末が相次いで登場した背景にある大きな要素としては、従来のスマートフォンやタブレットとの差異化が挙げられるだろう。

 Androidスマートフォンで世界的に好調なサムスン電子だが、自社独自の製品カテゴリーを作り上げることでアップルとの競争を優位にしたい、という考えがあった。その結果として生み出されたのが、5.3型の大きなディスプレイを採用したGALAXY Noteである。GALAXY Noteは、2011年10月に海外で発売を開始して以来、世界累計で500万台を販売するほどのヒットとなった。他社も追随し、5型クラスの端末の市場開拓が本格化したといえよう。

5型クラスの端末のメリットとデメリットとは?

 5型クラスの端末の特徴は、タブレットと比べて断然持ち運びやすいサイズながら、ディスプレイが大きく見やすいことにある。Webサイトの閲覧などで画面の情報量が要求されるスマートフォンでは、画面の大きさが重視される傾向にある。5型クラスの端末は、片手で持ち運び可能なギリギリのサイズにすることで、その要求を満たしているといえよう。

 指だけでなく、ペンによる操作を取り入れた機種が多いのも、このクラスの端末の特徴といえるだろう。GALAXY Noteは、電磁誘導式のペンによる繊細な表現ができることを特徴としている。Optimus Vu:は、端末上部のボタンを押すことで、画面上にペンでメモが取れることをセールスポイントの1つとしている。

 一方で、音声通話をするには大きく感じる。手の小さい人にとっては、持ち歩いたり操作したりするのは厳しいサイズでもあるのは確かだ。

5型クラスの端末は、日本と海外で関心の高さが大きく異なる

 5型クラスの端末に対する反応は、国によって異なるのが興味深い。韓国では、GALAXY Noteは1日に1万5千台も販売されるヒット端末となっており、街中で利用しているケースもよく見かける。同じく韓国で先に発売されているOptimus Vu:は、ユーザーの男女差がそれほどないうえ、20~40代と比較的幅広い年齢層に受け入れられている。

 では、日本の場合はどうだろうか。先行して発売されたGALAXY Noteの動向を見るに、おもに関心を示すのは先進層の男性、いわゆる「アーリーアダプター層」である傾向が強い。いまのところ、女性を含む幅広い層が購入しているとは言えないように見える。

 日本と韓国で、このクラスの端末に対する関心が大きく異なっているのは、スマートフォンの普及状況の違いがあると考えられる。日本では、フィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替えがこれから本格化する段階で、スマートフォンが広く普及しているわけではない。

 かたや韓国では、日本以上にスマートフォンの普及が早く、現在は古い世代のスマートフォンから新しい世代のスマートフォンへの買い替えが進んでいるほどだ。すでにスマートフォンを利用している人が、より多くの情報を得るためにはディスプレイサイズの大きさが重要だ、と感じる傾向が強くなっている。買い替えの際、より大きなディスプレイを採用した端末を選ぶことで、5型クラスの端末の人気につながっているわけだ。

ペン操作の魅力の訴求が、日本市場で普及するカギとなるか

 では、日本で今後5型クラスの端末が広がる可能性はあるのだろうか? それは、このクラスの端末がもたらすメリットが、消費者に理解してもらえるかどうかにかかっているだろう。

 日本では、フィーチャーフォンによるインターネットやメールの利用が発達しており、小さな画面で情報を得るのに慣れている。ほかの国と比べて大画面による訴求が響きにくい側面がある。それだけに、単に画面が大きいというだけでなく、大きな画面や独自の装備がいかに新しい価値を生み出し、生活を便利にするかを訴求することが重要だといえる。

 強調すべきはペン操作の利便性だろう。日本では、手書きで文字を書くだけでなく、イラストを描くことを好む傾向が強い。特に若年層では、文字やイラストで写真をデコレーションするプリクラが身近な存在として親しまれている。

 サムスン電子も、来場者の似顔絵をGALAXY Noteで描くイベント「GALAXY Note Studio」を展開するなど、特徴的なペンのメリットや使い方を提案している。大画面に対する訴求力が弱い日本では、こうしたペン操作が持つ魅力をアピールする取り組みが特に強く求められる。

 5型クラスのデバイスは登場して日が浅い。今後どこまで広まりを見せるかは未知数だ。だが、それだけにハード、ソフト、使い方など、まだまだ開拓の余地や可能性があり、今後の展開にも期待が持てる。日本でどこまでブレイクするか、大いに注目したい。

(文/佐野正弘)

最終更新:5月22日(火)11時1分

ポケットとか入りづらそうな気がするなぁ。
大きいのならタブレット端末でいいやという人もでてくるだろうね。

暗黒の稲妻