<損保>大手2グループ最終赤字 タイ洪水支払い響く
毎日新聞 5月18日(金)21時48分配信

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12年3月期連結決算を説明する東京海上ホールディングスの玉井孝明専務=東京都中央区で12年5月18日、竹地広憲撮影
大手損害保険3グループの12年3月期連結決算が18日出そろった。タイ洪水に伴う保険金支払いが響き、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)とNKSJHDは最終(当期)赤字となった。NKSJは2期連続の赤字。東京海上HDは保有株式の売却益などで黒字を確保した。
各社の収益が大幅に悪化した最大の要因は、昨年10月にタイの工業団地で発生した洪水被害に伴う日系企業への保険金支払いで、金額は3グループ合計で5073億円に上った。MS&ADHDの梅村孝義専務は18日の決算発表の記者会見で、タイ洪水被害について「ああいう形で(工場が)水没するのは、ちょっと想定していなかった」と語った。一方、昨年3月の東日本大震災の企業向け保険金支払いについては、各社とも11年3月期決算にほぼ全額を織り込んでおり、12年3月期決算には影響しなかった。
同3月期の本業の売上高を示す正味収入保険料は、大震災以降に企業・個人の地震保険ニーズの高まったことを受けて、3グループとも前期を上回った。ただ、正味収入保険料のほぼ半分を占める主力の自動車保険分野はユーザーの高齢化による事故増加で保険金支払額が増え、慢性的な赤字となっている。「自動車保険の損害率の改善は経営の喫緊の課題」(NKSJHDの辻伸治専務)で、各社とも昨年から今年10月に自動車保険料を1.0~1.8%値上げすることを決定。来年10月からは事故を起こしたドライバーについて、保険料を3年間値上げする「新等級制度」も導入し、自動車保険の収支改善を図る。
13年3月期については、各グループとも大規模自然災害の発生が例年並みとの前提で黒字決算を見込んでいる。経営統合による収益効果を発揮することも課題で、NKSJは傘下の損保ジャパンと日本興亜損害保険の14年度上半期の合併に向け、管理部門の拠点や本社の一本化に取り組んでいる。また、MS&ADは14年3月期にも傘下2社(三井住友海上とあいおいニッセイ同和)のシステムを統合し、コスト削減を図る考えだ。【葛西大博】
最終更新:5月19日(土)8時53分
大手損害保険3グループの12年3月期連結決算が18日出そろった様だ。
暗黒の稲妻
毎日新聞 5月18日(金)21時48分配信

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12年3月期連結決算を説明する東京海上ホールディングスの玉井孝明専務=東京都中央区で12年5月18日、竹地広憲撮影
大手損害保険3グループの12年3月期連結決算が18日出そろった。タイ洪水に伴う保険金支払いが響き、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)とNKSJHDは最終(当期)赤字となった。NKSJは2期連続の赤字。東京海上HDは保有株式の売却益などで黒字を確保した。
各社の収益が大幅に悪化した最大の要因は、昨年10月にタイの工業団地で発生した洪水被害に伴う日系企業への保険金支払いで、金額は3グループ合計で5073億円に上った。MS&ADHDの梅村孝義専務は18日の決算発表の記者会見で、タイ洪水被害について「ああいう形で(工場が)水没するのは、ちょっと想定していなかった」と語った。一方、昨年3月の東日本大震災の企業向け保険金支払いについては、各社とも11年3月期決算にほぼ全額を織り込んでおり、12年3月期決算には影響しなかった。
同3月期の本業の売上高を示す正味収入保険料は、大震災以降に企業・個人の地震保険ニーズの高まったことを受けて、3グループとも前期を上回った。ただ、正味収入保険料のほぼ半分を占める主力の自動車保険分野はユーザーの高齢化による事故増加で保険金支払額が増え、慢性的な赤字となっている。「自動車保険の損害率の改善は経営の喫緊の課題」(NKSJHDの辻伸治専務)で、各社とも昨年から今年10月に自動車保険料を1.0~1.8%値上げすることを決定。来年10月からは事故を起こしたドライバーについて、保険料を3年間値上げする「新等級制度」も導入し、自動車保険の収支改善を図る。
13年3月期については、各グループとも大規模自然災害の発生が例年並みとの前提で黒字決算を見込んでいる。経営統合による収益効果を発揮することも課題で、NKSJは傘下の損保ジャパンと日本興亜損害保険の14年度上半期の合併に向け、管理部門の拠点や本社の一本化に取り組んでいる。また、MS&ADは14年3月期にも傘下2社(三井住友海上とあいおいニッセイ同和)のシステムを統合し、コスト削減を図る考えだ。【葛西大博】
最終更新:5月19日(土)8時53分
大手損害保険3グループの12年3月期連結決算が18日出そろった様だ。
暗黒の稲妻