ムラジッチ被告の裁判開始、大量虐殺など 旧ユーゴ戦犯法廷
CNN.co.jp 5月16日(水)19時21分配信

(CNN) 1990年代のボスニア紛争のセルビア人勢力元司令官で、大量虐殺などの罪に問われているラトコ・ムラジッチ被告(70)の裁判が16日、オランダ・ハーグの国連旧ユーゴスラビア国際法廷で始まった。

ムラジッチ被告は、ボスニア東部スレブレニツァでムスリム勢力の8000人が殺害された事件を指揮したなどとして、大量虐殺や戦争犯罪、人道に対する罪など11件で起訴された。

弁護団は14日、検察側の手続きや判事の構成を理由に開廷の6カ月延期を求めたが、裁判は予定通り16日朝に始まった。傍聴席には、スレブレニツァ虐殺の遺族らの姿もあった。

ハーグのシエラレオネ国際戦犯法廷では、リベリアのテーラー元大統領が、隣国であるシエラレオネの反政府勢力による残虐行為に加担したとして戦争犯罪などの罪に問われ、先月有罪判決を受けた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「残虐行為の犯人はどんなに地位の高い人物であっても裁かれるようになった。テーラー、ムラジッチ両被告の裁判から、こうした国際的な流れがうかがえる」としている。

ムラジッチ被告は16年間に及ぶ逃亡の末、昨年5月にセルビア北部で拘束された。物置小屋の壁際に立ち、持っていた2丁の銃を撃つこともなく無抵抗で投降したという。同月末に旧ユーゴ国際戦犯法廷に身柄を引き渡された。当初から法廷で遺族らに敵意を示す合図を送ったり罪状認否を拒否したりするなど抵抗を示し、健康状態を理由に裁判の延期も求めていた。

同法廷の主な被告のうち、セルビア人勢力の指導者だったカラジッチ被告は08年に逮捕されている。ミロシェビッチ元ユーゴ大統領は01年に逮捕されたが、06年に拘置所内で死亡した。最後の大物とされた元指導者のゴラン・ハジッチ被告も、昨年7月に拘束された。

最終更新:5月17日(木)0時12分

「人道に対する罪」で指名手配され、拘束された人々は幾人も居るはずなのだが、ハーグで法のもとに裁かれる事の出来る人と、裁かれる事もなく抹殺されてしまう人がいるのは何故なのだろう。
例えどんな犯罪者でも、裁判を受ける権利はあるはずなのだが。

暗黒の稲妻