<ホテル火災>87年から違法建築見落とす…福山市5回査察
毎日新聞 5月16日(水)1時27分配信


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火災を起こしたホテル1階を調べる消防庁の職員ら=広島県福山市で2012年5月14日、後藤由耶撮影
 広島県福山市のホテルプリンスで宿泊客ら10人が死傷した火災で、福山市は15日、ホテルの建物について、鉄筋部分と木造部分が接合された段階で違法建築に当たるのに、1987年から5回実施した防災査察で見落としていたと発表した。これまでは改善を強制できない「既存不適格」としていたが、違法建築と判断していれば、建物の使用禁止命令など強制力を行使できたという。三好豊彦・市建築部長は記者会見で「市のミス」と話した。

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 市によると、ホテルは60年完成の木造建物(2階)と68年完成の鉄筋コンクリート建物(一部4階)が接合されたもの。74年にホテル側が市に出した報告書では、二つの建物は一体利用されていたが、シャッターで防火区画され、別々の建物と判断された。

 しかし、市が建築基準法に基づく防災査察の記録を調べたところ、87年の査察で、木造の1階が駐車場に変えられ、2階に上がる階段が撤去されている旨が記録されていた。これは一つの建物とみなされる状態だった。本来は違法建築に当たる。しかし、87年の査察で市は、客室の窓をふさいだベニヤ板など、防火上の8項目の不備だけを問題視し、「既存不適格」とした。その後、昨年9月までの4回の査察でも、この結果を踏襲した。【稲生陽】

最終更新:5月16日(水)7時43分

道路交通法違反は厳しいのに消防法や建築基準法、労働基準法の違反には寛大なのかね。

暗黒の稲妻