首都高速1号羽田線が深刻な老朽化 無数のひび割れを補修した跡
フジテレビ系(FNN) 5月2日(水)19時58分配信

東京・東品川の首都高速1号羽田線で、深刻な老朽化の現場が報道陣に公開された。
カメラが映し出したのは、首都高速に入った無数のひび割れの跡だった。
しかし、身近に潜む老朽化の危険は、これだけではない。
2日、首都高速道路を見上げると、無数の白い線が見えた。
何本も白い線が縦に走っているが、これは全て、ひび割れを補修した部分だという。
首都高速道路では、老朽化が深刻な問題となっている。
首都直下地震への備えが求められる中、老朽化しているのは、高速道路だけではなかった。
2日、東京・東品川の首都高速1号羽田線で、深刻な老朽化の現場が報道陣に公開された。
東品川のあたりは、50年ほど前に開通しているが、すでに橋げたの下の部分がぼろぼろになっていて、コンクリートもはげ落ちていた。
しかし、その上では、車が走り続けていて、過酷な使用状況がよくわかる。
あちらこちらで、はがれ落ちたコンクリートのほか、無数の白い線は、補修された跡だという。
斜めにくいを打ち込み、補強した箇所。
下に伸びるつららのようなものは、コンクリートの中の成分が溶け出したものだという。
建設から半世紀がたち、まさに傷だらけの首都高速道路では、1兆円規模の大規模改修に乗り出した。
橋脚の一番上の部分と橋げた、そこをつなぐ部分がゴムに替えられたことによって、耐震のための補強になっているという。
橋脚をジャッキアップして、橋げたとの間にゴムを入れる耐震対策だが、巨大地震が来た場合、はたして首都高は耐えられるのか。
一方、老朽化が懸念されるのは、首都高だけではないという。
防災システム研究所の山村武彦所長は「例えば信号機とか橋、あるいは高速道路、一部のトンネル、そういったものが、インフラとしては危険な状況になる可能性があるんですね」と話した。
40年以上前に建設された茨城県の鉾田市と行方(なめがた)市を結ぶ鹿行(ろっこう)大橋は、東日本大震災で崩落し、橋を車で渡っていた当時61歳の男性が死亡した。
ドライバーは「(老朽化について?)聞くと怖いですけどね。信用しないとね、仕事ができないので。一応は走っていますけど」などと話した。
さらに身近な信号機も老朽化の問題がある。
実は各地で、倒壊が相次いでいるという。
相次ぐ老朽化問題は、なぜ起きているのか。
防災システム研究所の山村武彦所長は「(東京五輪開催決定後の)1960年以降に急きょ(高速や橋、信号などが)設置されてきた。高度成長期に建てられて、インフラも含めて、ほとんど経年劣化している時期に差しかかっているということだと思います」と話した。
街の人は「危険なものは、なくしていただきたいですね」、「無駄な税金を使っているから、そっち(インフラ整備)に使ってほしいですね」などと話した。
しかし、国も各自治体も財政は厳しいため、全てを補修することは困難とみられる。
防災システム研究所の山村武彦所長は「耐震化、あるいは液状化を考えながら、優先順位を決めて、危険度の高いところから補強を行っていく」と話した。

最終更新:5月2日(水)19時58分

東京・東品川の首都高速1号羽田線で、深刻な老朽化の現場が報道陣に公開された様だ。

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