両親が自動車学校提訴 従業員の娘被災 「はっきりさせたい」 宮城
産経新聞 4月28日(土)7時55分配信
 東日本大震災の津波で教習生らが犠牲になった常磐山元自動車学校(山元町)で勤務中に被災し、行方不明の大久保真希さん=当時(27)=の両親が27日、同校側に約6700万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。

 大久保さんの父、三夫さん(59)は提訴後の記者会見で、「娘がかわいそう。(何が起きたのか)はっきりさせたかった」と話した。三夫さんによると、学校側からは震災時の状況について説明がなく、犠牲になった教習生の遺族向けの説明会にも呼ばれなかったという。

 三夫さんと母親の恵子さん(54)は震災後、大久保さんが好きだったコーヒーを持って校舎に通い続けていたが、昨年10月には何の通知もなく建物が取り壊された。「心のよりどころだった場所が突然なくなって、整理がつかなくなった」と提訴理由を語った。

 訴状によると、学校側はアルバイト事務職員として大久保さんを採用。震災発生後も教習再開が可能かどうかの協議に終始し、避難の意思決定をしなかった。同校をめぐっては、死亡した教習生25人の遺族46人が昨年10月、同校などに計約19億円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。

 学校側の代理人弁護士は「コメントは差し控えたい」とした。

最終更新:4月28日(土)14時34分

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