「ご近所水族館」が好調、地元重視の“秘策”とは?
nikkei TRENDYnet 4月26日(木)11時4分配信


昨今、水族館の新規オープンが相次ぎ、集客が好調だ。
 この記事は「日経トレンディ2012年5月号(4月4日発売)」から転載したものです。内容は基本的に発売時点のものとなります。

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 昨今、水族館の集客が好調だ。昨年末から新規オープンも相次いでいる。いずれの施設も、観光客だけでは人気は一過性と考え、地元リピーターの確保に取り組んでいるのが特徴だ。

 3月14日にオープンした「京都水族館」は、地域住民の学習利用を意識し、鴨川に生息するオオサンショウウオなど京都特有の希少生物の展示に力を入れる。さらに、2回分の入館料(1回2000円)で購入できる年間パスを用意。先行販売では1万6000人が購入した。運営するオリックス不動産は、初年度入館者数を200万人と見込む。

 京都水族館日本最大内陸型水族館。特別天然記念物も展示人気をブームで終わらせない

 東京スカイツリータウンにできる「すみだ水族館」(5月22日開業予定)も、オリックス不動産の運営で、同様の年間パスを発行。滞在時間に制限がなく、開館時間は21時までと、近隣住民や仕事帰り客がゆったりと利用しやすい設定になっている。

「すみだ水族館」 in 東京スカイツリータウン9時から21時まで営業。年間パスは4000円 静岡県沼津市には昨年12月に、「沼津港深海水族館 シーラカンスミュージアム」がオープン。海鮮グルメが人気の沼津港には年間130万人が訪れるが、観光地化の加速で地元離れが起こりつつあった。そこで、「地域住民も観光客も呼べる施設を」と考えた地元の佐政水産が同館を開業した。水深が日本一の駿河湾にちなみ、同館は深海魚に特化。冷凍シーラカンスの常設展示の他、期間限定展示も開催する。水族館の横には、深海魚が食べられる飲食街を併設。水族館利用者には割引特典を設け、地元客のリピートを狙う。

 人気をブームで終わらせない。水族館の取り組みは今後も続きそうだ。

 沼津港深海水族館 シーラカンスミュージアムシーラカンスが5体。深海魚特化型水族館(文/井垣 節子、写真/水野 真澄)

最終更新:4月26日(木)11時4分

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