FOMC開催で強まる日銀緩和要請 市場は織り込み済み…規模焦点
フジサンケイ ビジネスアイ 4月25日(水)8時15分配信

 米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、連邦公開市場委員会(FOMC)を2日間の日程で開く。米国経済は緩やかながらも回復を続けているため、市場では追加金融緩和は見送られるとの見方が有力だ。

 ただ、バーナンキFRB議長はFOMC後の会見で今後の追加緩和に言及する可能性があり、27日に金融政策決定会合を開く日銀には、緩和要請がますます強まりそうだ。

 しかし、緩和を織り込み済みの市場の関心はすでに、どの程度の規模や内容になるかに移っている。市場の期待が裏切られれば円高・株安が進みかねず、日銀は苦慮しそうだ。

 日銀が検討しているのは、国債などの資産を買い入れる基金の増額。現状の65兆円規模から5兆~10兆円ほど上積みする案が中心になるとみられる。このほかにも、基金で購入する国債の満期までの残存期間を、現状の「2年以下」から「3年以下」に広げる案が浮上。より長い期間の金利に働きかけ、低下を促すのが狙いだ。

 ただ、市場は、すでに日銀の追加緩和を先取りした動きを見せている。債券市場では国債が買われ金利が低下。長期金利の指標となる10年物新発債の利回りも24日の終値は、前日より0.015%高い0.930%だった。

 市場の確信の根拠は、白川方明(まさあき)総裁ら日銀幹部が、講演で相次いで金融緩和に積極発言を繰り返していることだ。27日の会合で示される2012、13年度の消費者物価上昇率の見通しが「物価安定のめど」の「1%」に届かないとみられることも、追加緩和の現実味を高めている。

 不安視されるのは、事前に追加緩和期待が広がると「発表時のサプライズがなく、円安や株高効果が薄れてしまうこと」(金融筋)。2月の緩和直後に円安・株高が進んだのは、見送り予想が市場に広がる中、事実上のインフレ目標政策まで打ち出される意外性があったからだ。

 27日の追加緩和を当然視している市場の関心は、基金の増額幅だ。どの程度の額が必要かは市場関係者によってまちまちで、大半は5兆円か10兆円の積み増しを予想。中には、単純な増額でなく「市場の予想できないサプライズ緩和が必要だ」との声もある。

 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、市場との腹の探り合いで日銀が「緩和のスパイラル」に陥ることを危惧。むしろ「政府と気脈を通じ、成長戦略に積極的に関与してデフレ脱却を目指すべきだ」としている。

最終更新:4月25日(水)10時54分

米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、連邦公開市場委員会(FOMC)を2日間の日程で開くそうだ。
米国経済は緩やかながらも回復を続けているため、市場では追加金融緩和は見送られるとの見方が有力だそうだ。

暗黒の稲妻