<中国>改革の姿勢強調…人民元変動幅拡大
毎日新聞 4月14日(土)23時51分配信


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人民元の対米ドルレートの推移
 中国が14日、人民元相場の対ドル変動幅を5年ぶりに拡大した背景には、米国を中心に高まる国際的な人民元改革圧力に対応すると同時に、海外からの資源調達などに有利に働く元の国際化を進めたい思惑もうかがえる。【北京・井出晋平】

【マーケット速報】最新の人民元の為替相場

 「市場の要請に応じ、人民元相場の(上下)双方向への柔軟性を高めた」。中国人民銀行(中央銀行)は14日の元相場の変動幅拡大の発表でこう強調、通貨改革への姿勢をアピールした。

 割安な元をテコに輸出を拡大し高成長を続けてきた中国。しかし、日本を抜き世界第2位の経済大国になっても“元安”政策を続ける姿勢に、巨額の対中貿易赤字を抱える米国では元切り上げ要求が拡大。11月に大統領選を控えるオバマ米大統領は2月、次期国家主席就任が確実視される習近平国家副主席との会談で貿易・投資の不均衡是正を迫った。

 今月19日にはワシントンで主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれるほか、その後もG20首脳会議(サミット)や米中戦略・経済対話などが控え、米側が元切り上げ圧力を強めるのは必至。3月の全国人民代表大会で「(人民元の)弾力性を高める」と“予告”した温家宝首相ら中国指導部は、元の変動幅拡大のタイミングを探っていたとみられる。

 元の変動幅拡大発表直前の13日、米財務省は議会に半年に1度提出する貿易相手国が不公正な為替政策をしていないか点検する「外国為替報告書」の公表を延期。人民元をターゲットにした同報告書公表を絶妙の間合いで先延ばしした背景には中国側との緊密な意思疎通がうかがえた。

 ただ、米側が今回の変動幅拡大を「一段の元相場切り上げにつながる」(政府関係者)と期待する一方、中国側は「為替レートの正常な変動を維持し、元相場の合理的な水準を保つ」(人民銀行)と過度の元高観測をけん制。欧州債務危機の影響などで中国経済の減速傾向が強まる中、輸出を一層冷え込ませかねない急激な元高は元売り・ドル買い介入で阻止する構えで、対米摩擦は容易に解消しそうにない。

 一方で、中国は緩やかな元相場上昇は容認し、エネルギーや穀物などの輸入価格抑制を通じてインフレ圧力を緩和したい考え。また、元の上昇を抑えるため、これまで元売り・ドル買い介入を繰り返してきた結果、ドルを中心とした外貨準備高は世界最大の3兆ドル(約240兆円)に膨張。米国債格下げなどで多額の含み損を抱えるリスクに直面しており、元相場の変動幅を広げることはこの面からも必要だった。

 ◇影響限定的…市場は冷静

 中国が5年ぶりに人民元の変動幅拡大を決めたことについて、市場では「急激な人民元相場の上昇は予想しづらく、円相場や日本経済への影響は当面、限定的」(メガバンク為替担当者)との見方が多い。

 人民元相場(基準値)は3月27日に1ドル=6.284元と05年7月の人民元切り上げ後の最高値を付けて以降、ほぼ横ばいの動きで推移。背景には、中国人民銀行による元売り・ドル買い介入だけでなく、欧州向け輸出不振などで中国経済が減速し、市場での元高圧力が後退していることがある。変動幅拡大の初日となる週明け16日の市場では元相場の振れ幅が大きくなる可能性はあるが、市場関係者の中には「目先、元安に傾く可能性」を指摘する声もある。【窪田淳】

最終更新:4月15日(日)18時10分

中国が14日、人民元相場の対ドル変動幅を5年ぶりに拡大した背景には、米国を中心に高まる国際的な人民元改革圧力に対応すると同時に、海外からの資源調達などに有利に働く元の国際化を進めたい思惑も伺える様だ。

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