<大飯再稼働>政治決断「妥当」 経産相14日福井へ
毎日新聞 4月13日(金)21時26分配信


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原子力発電所に関する関係3閣僚との会合であいさつを終えた野田佳彦首相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影
 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚は13日夕、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題について、首相官邸で6回目の協議を行い、再稼働を妥当と判断した。2基が政府の決めた「安全性の判断基準」を満たしていると最終確認し、関電管内の電力不足を緩和するために再稼働が必要と結論づけた。政府は14日に枝野氏を福井県に派遣し、西川一誠知事らに再稼働への理解を求める考えだ。

【大飯原発・再稼働問題】ぶれ続ける政府方針

 会合終了後に会見した枝野氏は「(大飯原発の)3、4号機が三つの判断基準を満たしていることを確認した。非常に厳しいレベルの電力不足に直面していると言わざるを得ず、再稼働の必要性が存在すると判断した」と述べ、大飯原発の安全性と必要性を強調した。

 会合には藤村修官房長官、細野豪志原発事故担当相らが出席した。関電が9日に提出した中長期の安全対策の実施計画(工程表)などについて、政府の「安全性の判断基準」に沿っていると確認した。原発事故が発生した時の国と電力会社、地元自治体との連絡体制の強化などの取り組みも着実に進んでいるとした。

 さらに、経産省資源エネルギー庁が、関電の全原発が停止した場合の夏場の電力供給不足の割合を最終的に18.4%と提示。枝野氏は「突然の電力不足は特に社会的弱者に深刻な事態をもたらす」と危機感を表明。「楽観論に終始し、結局、電力供給が足りなかったでは許されない」と述べた。また、電気料金についても「今の状況では遠からず(関電管内でも)値上げをお願いせざるを得なくなる」と強調した。

 政府が再稼働の妥当性を判断したことで、枝野氏は14日、福井入りする。政府は、今夏の電力需要期に、工場の稼働など国内経済と国民生活に大きな影響を与えかねないことなどを懸念しており、最終的には県やおおい町などの一定の理解を得た上で、再び関係閣僚会合を開き、再稼働を最終決定したい考え。枝野氏は商用原発で唯一稼働中の北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が停止する5月5日までの再稼働にこだわらない姿勢も示した。

 これに対し、福井県の西川知事は「再稼働は、国が福島第1原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示すことが大前提だ」と主張してきた。これを踏まえ、首相と3閣僚は「安全性の判断基準」をまとめたが、西川知事はこの基準や首相らの議論について評価を明らかにしていない。また、福井県に隣接する京都、滋賀両府県は再稼働に慎重で、電力供給を受ける大阪府・市は反対姿勢を強めている。

 当初4月に予定した原子力規制庁の発足が遅れる中、3日の初会合から10日余りで再稼働妥当と判断したことへの「拙速」批判もあり、再稼働決定に向け、政府は引き続き難しい政治判断を迫られることになる。【小倉祥徳】

最終更新:4月14日(土)1時10分

国民の正当な経済活動を、妨害するような政府なら要らない。
経済を成長させる事は、国民の正当な権利。
情報を歪曲・隠ぺいする民主党政権に協力要請されても説得力が無い
住民目線なら、再稼動はNGなはずだが。

暗黒の稲妻