<大飯原発>関連工事 おおい町長が役員の会社が大量受注
毎日新聞 4月6日(金)15時1分配信


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福井県おおい町の時岡忍町長
 関西電力大飯原発の地元、福井県おおい町の時岡忍町長(74)が取締役を務める金属加工会社「日新工機」(同町)が10年までの6年間に関電発注の原発関連工事を少なくとも65件、計4億4800万円受注していたことが分かった。直接受注だけでも19件、約3億円分ある。大飯原発3、4号機の再稼働には、福井県やおおい町の同意が前提とされており、町関係者は「原発と利害関係の深い町長に公正な判断ができるのか」と指摘する。

 県などによると、同社は、時岡町長が88年に創業し、96年に町収入役になるまで社長を務めた。長男(42)が後を継ぎ、自身は取締役に退いたが、株の約3割を保有し、2番目の株主だという。原発の維持・補修を中心に業績を伸ばし、10年度の売り上げは約3億円。

 関電から直接受注した主な工事は、大飯原発2号機屋内外昇降設備他修繕工事1030万円(08年)や3、4号機ETA排水処理設備点検工事3610万円(10年)など。

 時岡町長は取材に、「現在は経営にタッチしておらず、報酬も受け取っていない。会社と政治は別で、会社のことが再稼働の判断に影響することはない」と話している。

 大飯原発の出力量(4基で471万キロワット)は関電の原発で最大だが、現在全てが定期検査で停止中。関電は3号機の安全評価(ストレステスト)の結果を昨年10月、経済産業省原子力安全・保安院に全国で初めて提出。4号機も翌月に提出し、野田佳彦首相らは今月5日、再稼働に必要な安全性の判断基準を了承した。首相らが今後の協議で安全と判断すれば、福井県知事や時岡町長に説明を行うとみられる。【古関俊樹、柳楽未来、遠藤浩二】

最終更新:4月6日(金)16時33分

無責任な政府の決定は、今後の原子力政策に大変な足かせになるだろう。

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