日銀、再び政治に翻弄 委員に河野氏の人事案、参院否決
フジサンケイ ビジネスアイ 4月6日(金)8時15分配信

 参院で5日、日銀審議委員にBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏を充てる人事案が否決され、定員9人の政策委員は2人の空席が出ることになった。金融緩和への河野氏の消極姿勢が野党の反対理由で、野党だった民主党が2008年、自民党政権の日銀総裁案をつぶしたしこりを指摘する声もある。来春には白川方明総裁の任期切れも迫り、日銀は再び政治に翻弄(ほんろう)され始めた。

 金融政策を決める日銀の政策委員は定員9人。中村清次、亀崎英敏の両審議委員が今月4日に退任し、政府は中村氏の後任に河野氏を推薦。亀崎氏の後任は挙げなかった。2人欠員は10年3月以来、約2年ぶりだ。

 政府が河野氏を推したのは、財政再建路線に理解があるためだ。だが金融緩和に慎重で、自民、公明が反発。民主党からも「デフレ悪化や円高につながる」と反対が上がっていた。

 自民と民主の「因縁」もある。08年3月、福田康夫政権が元財務次官の武藤敏郎氏を総裁候補として示し民主党が反対。副総裁の白川氏が昇格するまで約3週間、ポストが空き、その後、副総裁や審議委員が欠ける混乱が続いた。「自民の怒りは深い」(政府関係者)とみられ、来年4月に任期が満了する総裁ポストも「政争の具になる」(同)との見方が強まっている。

最終更新:4月6日(金)11時41分

参院で5日、日銀審議委員にBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏を充てる人事案が否決され、定員9人の政策委員は2人の空席が出る事になった様だ。

暗黒の稲妻