中国、高速鉄道を輸出 特許侵害、国際摩擦も
産経新聞 4月6日(金)7時55分配信

 【上海=河崎真澄】中国北車がバングラデシュ向けに初輸出する高速鉄道の車両やシステムは、独電機大手のシーメンスなどから導入した技術がベースとみられる。しかし、同社のライバル、中国南車には川崎重工業など日本企業も新幹線技術を供与している。今回の輸出を手始めに中国が高速鉄道技術の海外進出を加速させれば、国内利用を前提に対中技術供与した日欧企業などと中国の間で、契約違反や特許侵害など国際摩擦に発展する恐れがある。

 中国北車はシーメンスや仏アルストーム、カナダのボンバルディアなどと提携し、2004年から高速鉄道車両や制御関連システムを国内で製造してきた。

 中国北車や中国南車は、海外からの導入時に250キロだった最高時速を350キロに引き上げたことなどを根拠に「中国独自開発の最新技術だ」と主張している。一方で、日本の鉄道関係者は「中国では安全が保証できないため、300キロ以上出せる車両を、技術供与の契約時に速度制限した」と反論している。

 中国はかねて高速鉄道を重要輸出産業と位置付けており、海外進出に向けた戦略を着々と進めている。

 昨年7月の高速鉄道追突事故で一時的に自粛していたものの、米国やブラジル、ロシアなどへの輸出は引き続き狙っており、陸続きの東南アジアや中央アジア、中東方面まで、中国からの延伸による高速鉄道の進出も打診している。

 さらに中国は昨年、日本や米国も含む5カ国・地域で、高速鉄道技術の特許取得を狙って国際出願の手続きに着手するなど、強硬な姿勢も見せ始めている。バングラデシュで輸出実績を作ることが海外戦略上、有利だと判断したようだ。

最終更新:4月6日(金)11時54分

中国北車がバングラデシュ向けに初輸出する高速鉄道の車両やシステムは、独電機大手のシーメンスなどから導入した技術がベースと見られるそうだ。

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