消費増税法案、国会提出 政界混乱 小沢氏、戦術外れ痛手
産経新聞 3月31日(土)7時55分配信


拡大写真
衆院本会議に臨む民主党の小沢一郎元代表=30日午後、国会・衆院本会議場(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
 消費税増税関連法案が閣議決定されたことを受け、民主党の小沢一郎元代表は「野田降ろし」を加速させた。小沢氏は自らのグループに所属する政務三役や党の役職に就いている議員の辞表提出を急いだ。法案採決に持ち込ませないとの決意の表れでもあった。だが、辞表提出を拒む議員も相次ぎ、小沢氏自身の求心力低下も露呈した。

[フォト]森副大臣が辞任意向 混乱続く与党

 ◆5月採決に照準

 小沢氏にとって「本番」は5月末にも想定される法案採決時だ。にもかかわらずこの時期に「辞任カード」を突き付けたのはなぜか。

 採決での「造反」は有力な選択肢の一つだが、今国会での採決を断念させ継続審議にさせるに越したことはない。そのためには波状的に攻撃を仕掛け、採決をとどまらせる必要がある。小沢氏はそう考えたのだ。

 選挙基盤の弱い議員を多く抱える小沢氏にとって、法案否決で野田佳彦首相に「解散カード」を切られたくないとの思いもあった。首相は今国会での成立に「政治生命を懸ける」と宣言しており、継続審議でも首相へのダメージは大きい。

 さらに「野田降ろし」を実現させるには9月の代表選を待たなくてはならず、「その頃まで野田政権を放置するわけにいかない」というのが側近らの一致した見解だ。そのためにも集団辞任で首相の求心力低下を狙う必要があった。

 ◆辞表提出拒否も

 小沢氏は30日、衆院議員会館の自らの事務所に午前10時から夜までこもり、連日行っている辞任の説得作業を続けた。だが、思うようにことは進まなかった。

 社会保障と税の一体改革を担当している政務三役は辞任に難色。東日本大震災の被災地選出の政務三役は苦悩の表情を浮かべた。2人とも小沢氏に近い議員として知られているため、グループ内に衝撃が走った。

 「引き続きやらせてほしい」と語る奥村展三文部科学副大臣に小沢氏は「俺がとやかく言うことではない」と応じたが、内心苦々しく思ったに違いない。

 結局、辞表を提出した政務三役は、約10人いる小沢グループのうち4人だった。

 小沢氏にとっては今回の「仕掛け」は、4月26日の1審判決で無罪になることに備えたウオーミングアップにすぎないとの指摘もあるが、強い結束を誇る小沢グループのほころびが見えたことは、採決に向け不安要素を残した。(坂井広志)

最終更新:3月31日(土)10時51分

ゴタゴタばっかりで何処が国民の生活が第一なんだろうかね、まったく・・・。

暗黒の稲妻