ピーチの“光と影”浮き彫りに 就航から1カ月、30日も4便欠航
産経新聞 3月30日(金)9時35分配信


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ピーチ初就航 関係者に見送られながら滑走路に向かうピーチの第一便=1日午前、関西国際空港(恵守乾撮影)(写真:産経新聞)
 4月1日で運航開始から丸1カ月を迎える日本初の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは、長崎空港で起きた客室乗務員の操作ミスにより29日に続き30日も4便が欠航する。少ない機材をフルに運行するため、トラブルや整備の遅れが欠航の連鎖につながるLCC特有のリスクが露呈した形だ。ピーチは割安な運賃で平均搭乗率8割程度と好調を維持しているが、初の運行トラブルはLCCの“光と影”を浮き彫りにした。

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 今回のトラブルでは、28日午前に長崎空港を出発前の機体で、乗務員が誤って緊急時の脱出用スライド(滑り台)を作動させ、機体の修復が必要となった。航空関係者は「頻繁に起こるトラブルではない」としており、発足間もないLCCにおける乗務員の習熟度向上も課題となった。

 トラブルが起きた長崎線は25日に就航したばかり。誤操作のあった28日は長崎-関西国際空港線が3便欠航し、29日は同じ機材を使う予定だった関空-長崎線と関空-福岡線の計6便が欠航。30日も同4便の欠航が決まっており、さらに福岡線1往復にも欠航の可能性があるという。

 ピーチは現在3機で3路線を運行しており、機体トラブルに備えた予備機を保有していない。このため、欠航本数の増加や長期化につながっている。

 格安運賃のため乗客は他社便への振り替え措置も受けられない。ピーチは自社の別便に振り替えるか返金で対応している。現時点では大半の利用者が返金に応じており、大きな混乱はないというが、LCCのデメリットが明確になった。

 一方でピーチの搭乗率は運行開始以降、平均で80%前後を維持している。搭乗率が80%を超えると、「予約する側にとっては満席に近い状態に感じられる」(国土交通省関係者)とされており、滑り出しは上々だ。

 8月下旬以降の台風シーズンには悪天候による欠航も予想されるだけに、利用客にとっては運賃の安さの“代償”を冷静に見分け、受け止める姿勢が求められそうだ。

最終更新:3月30日(金)15時12分

4月1日で運航開始から丸1カ月を迎える日本初の格安航空会社(LDC)ピーチ・アビエーションは、長崎空港で起きた客室乗務員の操作ミスにより29日に続き30日も4便が欠航する様だ。

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