佐藤、世界奪取翌朝に職質された「ちょっと悲しかった」
スポーツ報知 3月29日(木)8時3分配信


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スポーツ報知を手に満面の笑みを見せるWBC世界スーパーフライ級新王者の佐藤
 プロボクシングWBC世界スーパーフライ級新王者の佐藤洋太(27)=協栄=が、“チャンピオン初日”に悲劇に見舞われた。判定勝ちでの涙の戴冠から一夜明けた28日、東京・新宿区内の協栄ジムで会見。ジムに来る途中に警察の職務質問を受けたことを明かした。改めて知名度のなさを痛感した新王者は夏にも計画する初防衛戦で話題性ある好カードを希望。顔を売って見返すつもりだ。

 世界の頂点を極めた前夜の歓喜は何だったのか…。佐藤は「ちょっと悲しかった」とつぶやいた。この日朝、普段から利用する西武新宿駅を降り、会見が行われるジムに行くため都内随一の繁華街、歌舞伎町を歩いていると、2人組の警官に呼び止められた。職務質問だ―。

 銀色の短髪にジャージー姿。前王者スリヤンとの激闘で顔は腫れ気味、足の裏の皮がめくれ、足を引きずっていた。風体の怪しさは自分でも認めており、素直に応じた。

 所持品もこと細かくチェックされた。趣味はスケートボード。悪用するのではなく、リュックサックの中には整備用のスパナ(約30センチ)を所持していたため、当然、疑われる。

 これを言えば身の潔白を証明できる。佐藤は意を決して口にした。

 「昨日、世界王座を取ったんですよ」

 返ってくる答えに期待したチャンプだったが、警官の口から発せられた言葉にまたもがくぜんとさせられた。

 「そうなんだ」

 まったく信用されず、軽く受け流される始末。10分に及ぶ職務質問でようやく信用してもらい、何とか解放されたのだ。

 ショックを受けた佐藤だが、職務質問には慣れている。中学時代から「50回は受けた」と明かし、実は1週間前にも受けていた。当時は減量中で目に精気がなく頬はこけ、病的な顔をしていた。会見で「祝福のメールや新聞を見て実感が湧いてきた」と喜びを語ったが、「世界チャンピオンってこんなもんなんですかね」と知名度の低さに今度は力なく笑ってみせた。

 自力で現状打破だ。7月に計画する初防衛戦に関し、金平桂一郎会長(46)は「話題性のあるカードを組めれば」。スーパーフライ級には2階級制覇を目指す亀田大毅(23)=亀田=を始め、日本人に好選手がそろう。佐藤は「強い選手と戦いたい。このままでは悔しい。防衛を続けて顔を広めないと」。いろんな意味でリングに上がるモチベーションは高い。

最終更新:3月29日(木)8時3分

そりゃへこむだろうね。
しかしそう着にせず早く有名になれるように頑張って。

暗黒の稲妻