<エルピーダメモリ>資金調達先の確保、最大の難関に
毎日新聞 3月23日(金)21時23分配信

 東京地裁から23日に会社更生手続きの開始決定を受けたエルピーダメモリは、坂本幸雄社長ら現経営陣が続投するDIP型の再建を進めることになった。しかし、事前調整もなく突然の破綻に至った同社に対して、取引銀行の不信感は根強い。5月までにスポンサー企業の選定を目指すが、その後は経営陣に引責辞任を求める声が強まりそうだ。スポンサー選定が難航すれば手元の運転資金が尽きる恐れもあり、再建は綱渡りになりそうだ。【窪田淳、竹地広憲】

 エルピーダは2月末、取引があった大手金融機関などに預けてあった預金約250億円を、それまで取引がなかったりそな銀に預け替えた。引き出しの直前、将来の大規模増資に備えるとして、株式の発行枠を拡大するための臨時株主総会の開催を決定したばかりで、自力再建をにおわせていた。更生法を申請した場合、預金を借金と相殺されるケースがあるため、預け替えは運転資金を確保することが目的とみられるが、銀行団にとっては「寝耳に水」(取引銀行)。直後の27日にエルピーダは更生法適用を申請し、金融機関の不信は強まった。

 半導体関連企業を渡り歩いた坂本社長は「再建請負人」と呼ばれたこともあり、就任当初は成果も上げていた。だが、円高や海外勢との競争激化に抜本的な対策を打てず業績は低迷し、経営再建に向けた提携交渉もまとめきれなかった。坂本社長の手腕について、「再建方針が毎日変わり、振り回された」(取引行)と疑問視する声もある。

 ただ、坂本社長が提携交渉の窓口であることや、国内唯一のDRAM(ディーラム、記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカーを運営する適任者が他に見当たらないことから、銀行団はDIP型更生手続きを認めざるを得なかった。しかし、日本政策投資銀行を通じて投入された公的資金300億円のうち、最大277億円が国民負担となる。更生計画案のめどがつけば、坂本社長が経営責任を問われるのは必至だ。

 エルピーダの現預金は8月末には22億円まで減る見通しで、同社は5月までにスポンサー企業を公募し、資金調達のめどをつけたい考えだ。これまで提携に向けて交渉してきた米マイクロン・テクノロジーや台湾大手の南亜科技のほか、米インテルなど複数の候補が浮上している。提携交渉の足かせになってきた負債4480億円(11年3月末時点)を、更生法適用で整理できれば、交渉相手が広がる可能性もあるが、順調に決まる保証はない。

 DRAMメーカーとして事業展開していく上で、今後、運転資金のつなぎ融資が必要となることも想定される。しかし、銀行団との関係がこじれているだけに、追加支援はすんなり決まりそうにない。提携交渉を進めながらの資金調達先の確保が最大の難関となりそうだ。


最終更新:3月23日(金)21時30分

増資も出来なかった訳じゃないのに、増資せず、手元資金を遺した上での会社更生法申請。
しかも経営陣は、何故か継続。
よう判らん。

暗黒の稲妻