安部公房は受賞寸前だった…ノーベル委員長語る
読売新聞 3月23日(金)15時21分配信


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賞の選考などについて語るスウェーデン・アカデミーのペール・ベストベリー・ノーベル委員会委員長
 【ストックホルム=待田晋哉】ノーベル文学賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーのノーベル委員会のペール・ベストベリー委員長(78)が21日午前(日本時間同日夕)、読売新聞の取材に応じ、1993年に死去した作家・安部公房が同賞の受賞寸前だったことを明らかにした。

 ストックホルム市内の自宅でインタビューに応じたベストベリー委員長は、安部公房について「急死しなければ、ノーベル文学賞を受けていたでしょう。非常に、非常に近かった」と強調した。

 さらに、「三島由紀夫は、それ(安部)ほど高い位置まで近づいていなかった。井上靖が、非常に真剣に討論されていた」などと他の日本人作家についても、過去の選考の経緯を語った。近年、受賞の可能性があるとされる村上春樹さんについては、「生きている作家については答えられない」と明言を避けた。

 アジアでの受賞者が少ないことについては、「作家がどこの国の出身かは見ない。その文学を見るのです」と断ったうえで、「数多くの優れた人がいる。私たちは何人かに目をつけている」と述べた。

 また、候補者の小説が、アカデミーの会員内で読めない言語で書かれている場合、専門家に翻訳を依頼したり、助言を受けたりする試みを続けていることも明らかにした。

最終更新:3月23日(金)15時21分

ノーベル文学賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーのノーベル委員会のペール・ベストベリー委員長が21日午前(日本時間同日夕)、読売新聞の取材に応じ、1993年に死去した作家・安部公房が同賞の受賞寸前だったことを明らかにしたそうだ。

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