<増資インサイダー>野村証券が社内調査着手 情報管理検証
毎日新聞 3月23日(金)2時31分配信

 国際石油開発帝石の公募増資を巡るインサイダー取引問題で、営業員による情報漏れを起こした野村証券が内部調査に着手したことが22日、わかった。野村証券は増資を担当した主幹事の1社。インサイダー情報が漏れないために、社内で適切な情報管理体制が構築されていたかが焦点となる。同社は4月にも事実関係を確認した上で、情報管理のあり方を検証する方針だ。【田所柳子、浜中慎哉】

 証券取引等監視委員会などによると、中央三井アセット信託銀行のファンドマネジャー(運用担当者)が、野村の営業担当者から増資の情報を得て、国際帝石株を空売りした。情報を漏らした野村側は金融商品取引法違反(インサイダー取引)に問われないが、本来なら、増資の引き受け部門から営業部門に未公開情報が流れない仕組みを整える必要がある。

 証券会社の情報管理体制を巡っては、業界団体の日本証券業協会が10年7月、業務で入手した企業情報がむやみに広がらないための自主規則を導入。08~09年に野村やカブドットコム証券でインサイダー取引が発覚したためで、「法人担当部門を他の部門から物理的に隔離」「法人関係情報の電子ファイルを容易に閲覧できなくする」などを求める。守らないと、最大5億円の過怠金などを科す。

 もっとも、日証協の規則導入以前から、未公開の企業情報を持つ法人部門と、投資家に株式や投資信託の売買を勧める営業部門は「チャイニーズウオール」と呼ばれる壁を設けるのは世界の常識だ。中国の「万里の長城」を指し、越えがたい壁を意味するもので、ある国内証券会社は、M&A(企業の合併・買収)の案件を話す時は、企業名を符丁で呼ぶルールがある。法人部門と営業部門の社員は入館証を別にし、互いのオフィスに出入りできないようにしている社もある。

 とはいえ、現役の証券会社員は「社員同士の個人的なつながりまでは遮断できない。情報のやり取りも、私用の携帯やメールまではチェックされない」と限界を指摘する。

 また、増資決定前に主幹事の証券会社が機関投資家の需要を探る「プレヒアリング」による情報漏れを疑う声もある。プレヒアリングも日本証券業協会が07年1月から規則で禁止し、国内証券各社も「やっていない」と口をそろえる。だが、元法人営業担当社員は「2~3年前には『客がどれくらい買うか知らないと仕事にならない』という空気で、プレヒアリングは横行していた」と指摘。国際帝石の増資と前後して、日本板硝子や東電の増資でも株価の不自然な動きがあった。

 これらの問題を巡り、22日の参院財政金融委員会では「日本市場の慣行と思われないよう、しっかり対応すべきだ」(大久保勉参院議員)との声が上がった。金融庁の細溝清史監督局長は「証券会社の情報管理体制に問題が認められれば適切に対処する」と説明。金融庁は野村の情報管理体制に問題がないか、聞き取り調査に着手、問題があれば業務改善命令などの行政処分に踏み切る可能性がある。

 ◇日証協の法人情報管理の主な規則◇

・社内に情報管理部門を設ける

・法人担当部門を他部門から物理的に隔離

・法人関係書類は他部門から隔離して管理

・法人情報が入った電子ファイルは容易に 閲覧できない方法をとる

・法人情報管理が適切か定期的に検査する

最終更新:3月23日(金)2時31分

最近は全然耳にしないがいっとき流れていたCMをふと思いだした。
「それ野村に訊いてみよー♪トントン」

暗黒の稲妻