飛鳥美人など国宝・極彩色壁画、修復は「順調」
読売新聞 3月14日(水)19時34分配信


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報道陣に公開された「飛鳥美人」と呼ばれる西壁女子群像(14日、奈良県明日香村で)=代表撮影
 文化庁は14日、奈良県明日香村の高松塚古墳(8世紀初め)から取り出した極彩色壁画(国宝)を修復している同村の修理施設の作業室内を報道陣に公開した。

 壁画発見から21日で40年。飛鳥美人を描いた西壁女子群像などは、絵画の周囲の余白に発見後に付着した汚れの除去が進み、同庁は「作業は順調」としている。

 同庁によると、壁画はカビの発生などで急速に劣化。2007年の石室解体まで100%近い湿度の中でぬれたような状態になっていた。現在はカビの発生を防ぐため湿度55%の環境で管理。全体が乾燥して白くなりコントラストが落ちたように見えるが、絵自体に影響はないという。

 改善されたのは余白の漆喰(しっくい)で、解体時に比べ、黒や茶色の汚れはなくなりつつある。ただ一部でカビや酵母が混じったゲル状物質が残り、変色も見られる。一方、絵画部分の修復はまだ着手できず、顔料に影響を与えずクリーニングする方法を検討中。同庁の計画では、壁画は17年度をめどに修復を終えた後、墳丘内に戻すことにしている。

最終更新:3月14日(水)19時34分

文化庁は14日、奈良県明日香村の高松塚古墳(8世紀初め)から取り出した極彩色壁画(国宝)を修復している同村の修理施設の作業室内を報道陣に公開した模様。

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