春闘一斉回答、労使ギリギリの判断 業績で二極化
産経新聞 3月14日(水)12時0分配信

 今春闘は、電機大手の一角のシャープが3年ぶりとなる定期昇給(定昇)の凍結を提案。東日本大震災や歴史的な円高に伴う経営環境の悪化にさらされ、多くの主要企業が賃金水準引き上げのベースアップ(ベア)はゼロで一時金も前年割れと、労使双方がギリギリの厳しい判断を迫られた。ただ自動車のほとんどが一時金は満額回答するなど、業種、業態による二極化が進んでいる。

 「昨年の東日本大震災、タイ洪水からの挽回、休日を変更した夏場の節電対応など、組合員、従業員の懸命な努力を評価してもらいたい」(ホンダ労組)

 自動車総連は交渉の過程で、危機からの回復に向けた現場力への評価を前面に押し出した。自然災害に加え、長期化する円高に苦しみながらも、マツダを除いて自動車各社は2012年3月期連結業績見通しでは黒字を確保し、各労組も要求水準を引き下げ、各社は定昇維持と同時に、一時金についてもほぼ満額で妥結した。

 電機も、業績が底堅かった日立製作所、三菱電機など重電系各社は、一時金は要求割れの回答となったものの定昇は維持した。

 これに対して極めて厳しい回答となったのが、シャープなどの家電系各社。主力事業の薄型テレビの値崩れや、韓国勢との競合により業績が急速に悪化した。

 当面は効率化を掲げた生産拠点の縮小などで、リストラ局面が続き、労組側も雇用維持を優先せざるを得ない。「今の世界経済の状態はまったく予測できない」(シャープ首脳)と、業績の改善に向けた道筋がいまだ描けない苦悩が、浮き彫りになっている。

最終更新:3月14日(水)13時55分

今春闘は、電機大手の一角のシャープが3年ぶりとなる定期昇給(定昇)の凍結を提案。東日本大震災や歴史的な円高に伴う経営環境の悪化にさらされ、多くの主要企業が賃金水準引き上げのベースアップ(ベア)はゼロで一時金も前年割れと、労使双方がギリギリの厳しい判断を迫られたそうだ。

暗黒の稲妻