株価一時1万円超え、企業財務や家計に余裕 復興にも追い風
産経新聞 3月9日(金)20時13分配信
東京株式市場で一時、日経平均株価が1万円台を8カ月ぶりに回復した。相場の好転は、多くの企業が決算期末を迎える3月末を前に財務体質の改善につながるほか、消費マインドにも明るさを取り戻させ、東日本大震災からの復興に向けた追い風になる。ただ足元の株高傾向は欧州の債務危機の後退が演出したに過ぎず、日本企業の海外頼みという脆弱な状況に変わりはない。
株価上昇は、企業の保有株式の含み益を押し上げ、財務体質に余裕を生むメリットがある。
野村証券金融経済研究所の推計(1894社対象)によると、昨年9月末の含み益はリーマン・ショック直後の2009年3月末(平成21年3月末)の3兆9000億円に迫る4兆1000億円に減っていた。昨年8月上旬の米国債格下げの影響で株安局面に入っていたためだ。
これに対して、足元の株価は当時より高値で推移しており、3月末に1万円近辺で着地すれば、昨年9月末よりも含み益が増加する可能性が高い。9日の平均株価終値は、昨年9月末より1229円45銭高、東京証券取引所1部上場の全銘柄の値動きを示すTOPIXも87・54ポイント上昇している。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「株高は金融機関の自己資本に余裕を生むので、リスクを伴う融資をしやすくなる。企業の設備投資を促す効果になる」と期待する。
さらに株高は家計にもゆとりを持たせ消費を刺激する。野村証券の尾畑秀一シニアエコノミストは「株を持っている割合が高い高額所得者の消費が動きやすくなる。4月から復興需要が本格化してくる中で、株高になれば、日本経済に追い風だ」と話す。
9日は東京証券取引所1部上場の1674銘柄のうち、7割超が上昇。123銘柄が昨年の年初来の最高値を付け、株高局面を象徴した。想定レートより円安になっている主力製造業への回復期待が牽引役となっているためで、欧州危機の後退がもたらす円安が株高要因。それだけに、欧州危機の再燃に伴う急落リスクは伴ったままといえる。
マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「円高は日本企業の強い業績下押し圧力になるので、今の81円後半から80円くらいに戻っても投資心理は冷え込むだろう」と話す。
しかも新たなリスクとして原油高が迫っている。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「原油高は欧米経済を直撃するため、ギリシャ問題が進展しても、世界景気の悪化懸念が広がり、売りに転じる可能性がある」と懸念。本格的な株高基調にたどりつくにはなおハードルがある。
最終更新:3月9日(金)20時59分
いい兆しなんだろうか。
このまま日本の刑期が復調してほしいが。
暗黒の稲妻
産経新聞 3月9日(金)20時13分配信
東京株式市場で一時、日経平均株価が1万円台を8カ月ぶりに回復した。相場の好転は、多くの企業が決算期末を迎える3月末を前に財務体質の改善につながるほか、消費マインドにも明るさを取り戻させ、東日本大震災からの復興に向けた追い風になる。ただ足元の株高傾向は欧州の債務危機の後退が演出したに過ぎず、日本企業の海外頼みという脆弱な状況に変わりはない。
株価上昇は、企業の保有株式の含み益を押し上げ、財務体質に余裕を生むメリットがある。
野村証券金融経済研究所の推計(1894社対象)によると、昨年9月末の含み益はリーマン・ショック直後の2009年3月末(平成21年3月末)の3兆9000億円に迫る4兆1000億円に減っていた。昨年8月上旬の米国債格下げの影響で株安局面に入っていたためだ。
これに対して、足元の株価は当時より高値で推移しており、3月末に1万円近辺で着地すれば、昨年9月末よりも含み益が増加する可能性が高い。9日の平均株価終値は、昨年9月末より1229円45銭高、東京証券取引所1部上場の全銘柄の値動きを示すTOPIXも87・54ポイント上昇している。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「株高は金融機関の自己資本に余裕を生むので、リスクを伴う融資をしやすくなる。企業の設備投資を促す効果になる」と期待する。
さらに株高は家計にもゆとりを持たせ消費を刺激する。野村証券の尾畑秀一シニアエコノミストは「株を持っている割合が高い高額所得者の消費が動きやすくなる。4月から復興需要が本格化してくる中で、株高になれば、日本経済に追い風だ」と話す。
9日は東京証券取引所1部上場の1674銘柄のうち、7割超が上昇。123銘柄が昨年の年初来の最高値を付け、株高局面を象徴した。想定レートより円安になっている主力製造業への回復期待が牽引役となっているためで、欧州危機の後退がもたらす円安が株高要因。それだけに、欧州危機の再燃に伴う急落リスクは伴ったままといえる。
マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「円高は日本企業の強い業績下押し圧力になるので、今の81円後半から80円くらいに戻っても投資心理は冷え込むだろう」と話す。
しかも新たなリスクとして原油高が迫っている。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「原油高は欧米経済を直撃するため、ギリシャ問題が進展しても、世界景気の悪化懸念が広がり、売りに転じる可能性がある」と懸念。本格的な株高基調にたどりつくにはなおハードルがある。
最終更新:3月9日(金)20時59分
いい兆しなんだろうか。
このまま日本の刑期が復調してほしいが。
暗黒の稲妻