震災1年で消費志向に大きな変化 新車販売活況「大きな買い物を」
フジサンケイ ビジネスアイ 3月8日(木)12時19分配信


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多くの来場者で商談も進む「スバル三鷹店」=3日、東京都三鷹市(写真:フジサンケイビジネスアイ)
 「大きな変化が来ている」。富士重工業の販売店「スバル三鷹」(東京都三鷹市)の山本竜夫店長は、1月からの来店者数と販売ペースの上昇に驚く。週末には200組を超える客が来店し、昨年11月に発売した「新型インプレッサ」は計画の4倍に達した。販売実績は過去最高水準だ。

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 もともと、根強いファンに支えられる富士重だが、ハイブリッド車(HV)などの品ぞろえがないにもかかわらず、他メーカーから乗り換える新規客が3~4割を占める。来店者用の駐車場には外国車やライバル車が目立ち、消費志向の変化が見て取れる。

 他社も好調だ。年末商戦開けの1~2月は例年なら客足が途絶え、土日でも交代で休みが取れるが、「今年は期末まで書き入れ時が続く」(ホンダカーズ東京中央)という。

 データも裏付ける。1月の国内新車販売は前年同月比36.2%増、2月は29.5%増で51万9626台に回復した。2月に50万台に乗せたのは、秋にリーマン・ショックが襲った2008年以来4年ぶりだ。

 東日本大震災で部品供給網が寸断され、昨年上期の国内自動車生産は約30%落ち込んだ。その後、通年で13%減まで戻し、今年1月には18%増に転じた。販売店にスムーズに供給できるようになったことも、活況を後押ししている。

 「エコカー補助金の復活もあるが、震災以降の消費自粛から抜け出そうとする消費志向が一番の要因」(群馬日産自動車の天野洋一社長)というのが販売現場の共通した見方だ。

 ホンダの足立小台店(東京都足立区)で、30代の女性客は「昨年は大きな買い物をする気分になれなかった。今年はいい年にしたい」と買い替えを検討する。スバル三鷹では男性会社員(39)が「新車購入で経済が回り、復興につながればいい」と話した。

最終更新:3月8日(木)19時26分

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