複数の企業年金 旧厚生OBがAIJ斡旋 経営会社に役員受け入れ
産経新聞 3月3日(土)7時55分配信

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)が年金資産約2千億円を消失させた問題で、旧厚生省(現厚生労働省)OBがAIJとコンサルタント契約を結び、企業年金側に「AIJは年金資産の運用委託先として有望」と仲介していたことが2日、分かった。これを機に複数の企業年金がAIJと契約していた。このOBが経営する年金コンサル会社の役員をAIJ役員が兼務していたこともあり、OBがAIJと一体となり顧客獲得の一翼を担っていた実態が浮上した。

 このOBは産経新聞の取材に、複数の企業年金側にAIJを紹介したことを認めたが、「運用実態がこんな状態になっているとは知らなかった。AIJを勧めるときには『最終的に決めるのはそちらです』と念を押していた」と話した。

 OBは旧社会保険庁(現・日本年金機構)の年金担当や旧厚生省保険局医療課で課長補佐などを務めた70代の男性。退職後、都内の年金基金常務理事などを歴任した。

 関係者やOBによると、OBは平成16年に都内にコンサル会社を設立。AIJとコンサル契約を結び、20年ごろに契約を解除するまで、多くの企業年金担当者に「AIJは運用に安定感があり、大きな損はしない」と紹介。企業年金側からAIJの評判などを尋ねられた際にも「優良委託先」と勧めていた。

 このうち、少なくとも関西や中部地方にある4~5の企業年金が、AIJから「高利回りで運用できる」と虚偽の説明を受け、AIJと年金資産の投資一任契約を結んだ。この中にはOBが顧問を務める企業年金もあった。このうち関西の企業年金は現在もAIJと契約を結んだままという。

 コンサル会社はAIJから年間500万円前後の報酬を受け取っていた。また、AIJ前社長や現役役員が一時期、コンサル会社の役員を務めていた。

最終更新:3月3日(土)12時50分

天下りがある限り日本はよくならない。
以上

暗黒の稲妻