<上野動物園>パンダで入園者増 次は2世誕生に期待
毎日新聞 2月23日(木)10時51分配信


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えさを食べる「シンシン」を携帯電話のカメラ機能で撮影する来場者=上野動物園で2012年2月21日午前11時48分、柳澤一男撮影
 上野動物園(東京都台東区)に2頭のパンダがやってきて1年がたった。人気ぶりを裏づけるように入園者数は来日前の1.6倍以上になる勢い。6歳の2頭は人間ならば20歳前後の“お年ごろ”。もうすぐ春を迎え、2世誕生の期待も膨らむが、果たして?【柳澤一男】

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 「リーリー」(オス)と「シンシン」(メス)の来日は昨年2月21日。公開は4月で、2011年度の来園者数はすでに400万人を超え、19年ぶりの大台突破となった。

 「2頭ともに健康状態は極めて良好。日本の生活にも慣れたと思います」と話すのは、同園副園長兼飼育展示課長の福田豊さん(52)。体重は現在、リーリー135キロ、シンシン120キロ。いずれも「大柄」という。パンダ舎は連日多くの客でにぎわっているが、2頭ともおおらかな性格で、人の声や騒々しいのは気にならないようだ。

 上野でのパンダ飼育は今年10月で丸40年。08年4月に死んだ「リンリン」まで計9頭を飼育してきた。パンダの飼育員を経験した職員も数人残っており、積み重ねてきたノウハウもある。しかし「新たな視点も大切」と、中国・四川省雅安市にあるパンダ保護センターと連絡を取り合い、より適した飼育方法を模索している。センターの飼育員と電子メールや携帯電話でやりとりして、時にはカメラ撮影した画像を送って相談するという。

 センターとのやりとりを通して大きく変えた点が食事。以前は他の動物と同様、1日に2回、竹を中心にサトウキビやニンジン、リンゴなど副食も多く与えていたが、今は副食を控えめに。しかも、1日6回に分けている。野生の状態に極力近づけることで健康状態を保つためだ。小分けにすることで腹7~8分目が保たれ、一度に大量に与えていたころより、活発に行動する時間も増えたという。

 春が近づき、今後は赤ちゃんの期待が高まる。同動物園ではこれまでに3頭が人工授精で生まれている。

 オリからはお互いの姿が見えるが、現時点では2頭とも興味を示さず、発情の兆候はまだ見られないという。本格的な発情は3~4月となる可能性が高いが、そのタイミングはわずか数日で、絶対に見逃せない。

 また、仮に妊娠しても、それを見極めるのは至難の業。生まれる赤ちゃんはわずか約100~200グラムなため、おなかが大きくならず、外見では分からない。血液を採取し、ホルモン状態を検査する方法もあるが「100%確実に判明するとは言えない」(福田さん)。

 メスの行動から推測することもあるそうだ。「妊娠したら、安心できるところで産みたいという本能から、狭い場所にこもりがちになったり、下に敷くものを探すなど、『巣ごもり』と呼ばれる行動をすることがあります」。出産まで分からない可能性すらあるという。さまざまな要素を総合して判断することとなりそうだ。

 福田さんは「飼育係など周囲が神経質になればパンダにもそれが伝わってしまう」と話す。まずはそっと見守ることが大切なのかもしれない。

最終更新:2月23日(木)11時58分

そりゃ胴部縁側としては期待したいところだろう。
しかしこればかりは神のみぞ知るではなかろうか。

暗黒の稲妻