「子供どこ」悲劇の母演出 育児悩み孤独生活 不明5カ月「信じられない」
産経新聞 2月6日(月)7時55分配信


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事件現場の大分県日出町(写真:産経新聞)
 悲劇の母親は容疑者へと立場を変えた-。大分県日出(ひじ)町の江本琴音(ことね)ちゃん=当時(2)=の遺体を遺棄したとして逮捕された母親の優子容疑者(35)は、行方不明時には「子供はどこ」と取り乱した様子で助けを求めていた。事件から5カ月で急展開を迎えた5日、周囲の住民は「信じられない」と声を上げた。

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 優子容疑者が自宅近くのスーパーに駆け込んだのは昨年9月13日午後1時半すぎ。「買い物で少し車を離れただけなのに…」「駐車場に防犯カメラは付いていないですか」とひどく動揺した様子で助けを求めたという。優子容疑者とともに琴音ちゃんを捜したという60代の女性は、優子容疑者の当時の様子について「ひどくうろたえているように見えた」などと話していた。

 当時の優子容疑者の説明では、目を離したのはわずか5分ほど。琴音ちゃんはワゴン車の後部座席のチャイルドシートに座らせ、エアコンをかけたまま日陰に止めていた-としていた。

 「足が不自由なので車から自力で出入りできない」。優子容疑者が110番通報をしたのは午後2時ごろ。大分県警は琴音ちゃんが事件に巻き込まれた疑いがあるとし、警察犬を出すなどして捜索。2日後には公開捜査に切り替え、顔写真入りのチラシを配るなどして住民に協力を呼び掛けた。

 まな娘を捜す必死の“演出”をしていた優子容疑者。事件前には幼い子供2人を熱心に育てる一方で、周囲に悩みを打ち明けるなど子育てに不安も抱いていた。

 優子容疑者は小学1年生の長男を毎日車で学校に送り迎えし、PTA役員を自ら引き受けるなど積極的な一面も見せた。保護者の会合には琴音ちゃんを連れて出席。ある母親は「しっかりした印象で、悩みを抱えていたようには見えなかった」と振り返る。

 その半面、孤独な様子もうかがわせた。一家は約3年前、故郷の同県国東市から日出町の新興住宅地に引っ越し、優子容疑者はそのころ琴音ちゃんを出産した。琴音ちゃんは生まれつき足の筋力が弱く、住民らは「いつもお母さんが抱っこしていた」と口をそろえる。

 知人女性は「お兄ちゃんは動き回るし、琴音ちゃんはあまり動けないので、お母さんは大変だった」と証言。琴音ちゃんと同じような症状の子供を持つ親に悩みを打ち明けていた。夫は仕事で1週間以上家を離れることもあったが、優子容疑者は近所の人たちと交流はほとんどなかったという。慣れない土地で育児に悩み、抑え込んでいた感情を琴音ちゃんへと向かわせたのだろうか。

 家族ぐるみの付き合いをしていた男性は「(優子容疑者は)子供を本当に大切にしていた。何か大きな理由があったとしか思えない」と声を震わせた。

最終更新:2月6日(月)12時17分

何というのか一番残念な結果になってしまったという気がする。

ご冥福をお祈りいたします。

暗黒の稲妻