<沖縄防衛局長>防衛相、3日にも更迭…衆院委に招致
毎日新聞 2月3日(金)2時34分配信


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参議院の防衛省控室に入る真部朗・沖縄防衛局長(中央)=国会内で2012年2月2日午前11時35分、津村豊和撮影
 田中直紀防衛相は2日、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)について、沖縄防衛局職員に投票を呼びかける講話をした真部朗(まなべ・ろう)局長を3日にも更迭する方向で調整に入った。沖縄側が反発を強め、普天間移設への影響を考えると、続投は困難と判断した。衆院予算委員会が3日午後に真部氏を参考人として招致し、集中審議を行うことから、審議を見極め最終判断する方針だ。

【なぜこんなことが】沖縄防衛局が有権者リスト 失態続き不信増幅

 防衛省は2日夜、政務三役や省幹部による調査チーム「防衛省業務適正化委員会」の初会合を同省内で開催。田中氏は会合後、記者団に対し「選挙にできるだけ迷惑がかからない形が取れればと思う」と述べ、宜野湾市長選告示日の5日までに真部氏を更迭する方針を示した。

 防衛省の政務三役の一人は「沖縄の反発は強く、真部氏が局長を続けるのはハードルが高い」と語った。同省は特定候補への直接的な投票依頼はないとして、自衛隊法に基づく懲戒処分は見送り、内規による注意処分などを検討する。

 野田佳彦首相は2日の衆院予算委員会で、真部氏の問題について「今回の事案は国民や沖縄県民の誤解や批判を受けかねない。引き続き、防衛省で事実関係を十分調査した上で適切な対応をとるべきだ」と表明。田中氏に対し、厳正に職員を指導・監督するよう指示したことを明らかにした。

 これに先立ち、田中氏ら政務三役は2日昼、上京させた真部氏から国会内で事情聴取。真部氏は、講話実施のために作成した「有権者リスト」で、宜野湾市に職員の親族が在住するか調査したことについて「大変軽率で誤解を招く行為だった。不信感を持たれても仕方ない」などと陳謝した。

 真部氏は普天間飛行場の移設先となる同県名護市の市議選(10年9月)の際も同様の講話をしたと認める一方、リスト作成は今回が初めてと説明。宜野湾市長選での講話は「重要な選挙なので、投票率を上げる貢献をしたかった」と述べた。過去5年間の同県内の国政選挙や知事選などの際は、同局幹部を集めた「局議」で棄権防止を呼びかけたことも報告した。【朝日弘行】

最終更新:2月3日(金)2時34分

田中直紀防衛相は2日、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)について、沖縄防衛局職員に投票を呼びかける講話をした真部朗局長を3日にも更迭する方向で調整に入ったそうだ。

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