「男性X」の評価、再審判断カギに 東電OL殺害 きょう三者協議
産経新聞 1月24日(火)7時55分配信

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東電社員殺害事件の主な鑑定結果(写真:産経新聞)
 東京電力女性社員殺害事件の再審請求審で、東京高検が優先的に進めていた追加鑑定は、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(45)=無期懲役が確定=のものと断定できるDNA型が検出されないまま終了した。鑑定結果からは、被害者と現場にいた可能性のある「男性X」の存在が浮上。24日に開かれる三者協議では、さらに鑑定を行うかを検討するとみられるが、東京高裁が認めなかった場合、いよいよ再審の是非の判断に移ることになる。

 再審請求審の流れを大きく変えたのは、昨年7月に高検が弁護側に開示したDNA鑑定結果だ。

 ■「新証拠」続々 

 鑑定では、東京都渋谷区のアパートで見つかった被害者=当時(39)=の遺体内から検出された体液と、部屋に残されていた体毛のDNA型が一致。マイナリ受刑者(血液型B型)以外の「男性X」(同O型)のものとされた。

 さらに、高検は新たに開示した物証42点のうち、15点を優先的に追加鑑定することを決定。その結果、被害者の胸や下半身周辺の付着物からもXのDNA型が検出された。

 確定判決は、マイナリ受刑者が空室だった現場の鍵を持っていたことや、目撃情報などから「第三者が被害者と現場の部屋に入ったとは考えがたい」と認定。しかし、Xの痕跡が前提を覆す可能性が出てきた。

 弁護側はこれらの鑑定書が再審の開始要件とされる「無罪にすべき明らかな新証拠」にあたるとして、高裁に提出した。

 ■「Z」も浮上 

 追加鑑定では、別の男性の痕跡も見つかった。

 被害者のブラスリップを鑑定した結果、胸下部分の裏地からマイナリ受刑者やXとは違う男性のDNA型を検出。鑑定人はこの型を「男性Z」としているが、弁護側は「いつ、どのような状況で付着したものかは分からない」と評価は冷静だ。ただ、15点の追加鑑定ではマイナリ受刑者のDNA型は検出されず、マイナリ受刑者を犯人とする検察側の主張は「崩れ去った」としている。

 検察側は、現場で見つかった被害者のショルダーバッグの取っ手から、マイナリ受刑者と同じB型の物質が検出されていることなどから、有罪主張を維持。残る27点も追加鑑定が必要との意向を示すとみられる。弁護側は鑑定には応じず、早期の再審開始を求める方針だ。仮に高裁が鑑定を不要と結論づければ、Xの存在をどう評価するかが再審判断のカギとなる。

最終更新:1月24日(火)10時29分

検察側の言い分はちょっと苦しい気もする。
今までDNA鑑定してきたものがマイナリ受刑者と一致しなかったのに、新たに検出されたDNAが彼と一致するかもしれないというのも苦しすぎるし、例え一致したとしても捏造ではないのかと疑えてしまう。

暗黒の稲妻