2012年はどうなる? デジカメ市場復活のカギは“持つ喜び”の訴求
nikkei TRENDYnet 1月6日(金)11時33分配信

2011年、デジカメ業界にとっては苦しい1年だったといえる。調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストに、2011年のデジカメ業界はどうだったのか、2012年は状況がどう変化すると見ているのかを聞いた。
2011年、デジカメ業界にとっては苦しい1年だったといえる。躍進するスマートフォンの影響でコンパクトデジカメの販売が落ち込み、新製品は発売直後から価格下落が急速に進んで「売れども儲からない」という状況が続いた。3月に発生した東日本大震災では自粛ムードが広がり、おもに旅行や行楽で使われるデジカメは売り上げが激減。秋には、タイの大洪水で現地の工場が被災し、デジタル一眼の発売延期や品不足が生じた。
【詳細画像または表】
主要販売店での販売データを集計している調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストに、2011年のデジカメ業界はどうだったのか、2012年は状況がどう変化すると見ているのかを聞いた。
コンパクトデジカメは価格下落が続くも、高価格帯モデルにヒット商品が登場
まず、レンズ一体型のコンパクトデジカメについて聞いた。道越氏は「2011年、販売台数はほとんどの月で前年割れが続いた。平均単価こそ若干持ち直したが、販売金額は前年と比べて大きく落ち込んでいる。価格の安さだけで消費者の購買意欲をつなぎとめる状況になっており、メーカーにとっては2010年以上に厳しかったといえる」と話す。
だが、道越氏は2011年に登場した富士フイルムの高性能モデル「FinePix X100」と「FUJIFILM X10」の2機種が人気を得たことに注目する。「2万円前後が主流のコンパクトデジカメにおいて、両機種ともかなり高価なのにもかかわらず、予想以上の売り上げを見せた。これらの機種は、家電的になった現在のデジカメにはない“持つ喜び”を訴求できたのが成功の要因だ」と分析した。「もはや、価格だけの消耗戦を続けても意味がない。このようなコンセプトの製品が各社から投入されれば、コンパクトデジカメ市場が話題性や元気を取り戻すだろう」と語る。
デジタル一眼はミラーレス機の躍進が目立った
レンズ交換型のデジタル一眼は、販売台数が大きく落ち込むことなくほぼ横ばいで推移しており、コンパクトデジカメと比べれば比較的好調だという。価格は緩やかに下落しているが、平均単価はまだ6万円台を維持している。道越氏は「メーカーも利益を確保できているだろう」と分析する。
2011年は「なんといってもミラーレス一眼の躍進が目立った」と道越氏。2011年春ごろまで、デジタル一眼全体におけるミラーレス一眼の割合は約3割ほどだった。だが、夏ぐらいから各社がミラーレス一眼の新製品を相次いで投入したことで、直近では約43%ほどにまで比率が高まった。2011年に参入したニコンやペンタックスが好調だった点も見逃せないポイントで、「今後、さらに伸びていくのは間違いない」と言う。
ミラーレス一眼はフルHD画質+滑らかなオートフォーカスでの動画撮影機能が人気
ミラーレス一眼が支持されている理由の1つが、動画品質の向上だ。動画のフルHD化が急速に進んでおり、直近では約65%ものモデルがフルHDでの撮影に対応するほどになった。動画撮影時のオートフォーカス性能に不満があるデジタル一眼レフと異なり、ミラーレス一眼はビデオカメラ並みの撮影ができる。道越氏は「写真も動画もきれいに撮れるカメラとして注目が集まったのだろう」と見ている。
一方のデジタル一眼レフは、2011年春から販売台数の前年割れが続いている。ミラーレス一眼の人気に押されたこともあるが、タイの洪水の影響で一部メーカーの在庫がなくなったことも大きな要因として挙げた。「秋から年末にかけて、人気商品が在庫切れになったのが痛い。まだ影響が残っているが、春以降に復活してくるだろう」と語った。
2012年は各社から意欲的な新製品がお目見えしそう
富士フイルムの2機種の成功を受けて、各社とも同様のコンセプトのコンパクトデジカメを投入してくるのは間違いない。富士フイルム自身もミラーレス一眼の投入を表明しており、デジタル一眼のジャンルでも“持つ喜び”を訴求したモデルがお目見えするだろう。
1月10日(現地時間)から、ラスベガスにおいて家電見本市「2012 International CES」が開かれる。2月9日からは、パシフィコ横浜にてカメラ機器の展示会「CP+」が始まる。これらのイベントが開催されるタイミングでデジカメの新機種が多数発表されるのは間違いない。どのような製品が登場するか、楽しみに待とう。
(文/磯 修=日経トレンディネット)
最終更新:1月6日(金)11時33分
まだまだどう動くかも判らないし、買った後に更に高性能が出ないとも限らないので何時が買い時なのか判らないのもなぁ。
暗黒の稲妻
nikkei TRENDYnet 1月6日(金)11時33分配信

2011年、デジカメ業界にとっては苦しい1年だったといえる。調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストに、2011年のデジカメ業界はどうだったのか、2012年は状況がどう変化すると見ているのかを聞いた。
2011年、デジカメ業界にとっては苦しい1年だったといえる。躍進するスマートフォンの影響でコンパクトデジカメの販売が落ち込み、新製品は発売直後から価格下落が急速に進んで「売れども儲からない」という状況が続いた。3月に発生した東日本大震災では自粛ムードが広がり、おもに旅行や行楽で使われるデジカメは売り上げが激減。秋には、タイの大洪水で現地の工場が被災し、デジタル一眼の発売延期や品不足が生じた。
【詳細画像または表】
主要販売店での販売データを集計している調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストに、2011年のデジカメ業界はどうだったのか、2012年は状況がどう変化すると見ているのかを聞いた。
コンパクトデジカメは価格下落が続くも、高価格帯モデルにヒット商品が登場
まず、レンズ一体型のコンパクトデジカメについて聞いた。道越氏は「2011年、販売台数はほとんどの月で前年割れが続いた。平均単価こそ若干持ち直したが、販売金額は前年と比べて大きく落ち込んでいる。価格の安さだけで消費者の購買意欲をつなぎとめる状況になっており、メーカーにとっては2010年以上に厳しかったといえる」と話す。
だが、道越氏は2011年に登場した富士フイルムの高性能モデル「FinePix X100」と「FUJIFILM X10」の2機種が人気を得たことに注目する。「2万円前後が主流のコンパクトデジカメにおいて、両機種ともかなり高価なのにもかかわらず、予想以上の売り上げを見せた。これらの機種は、家電的になった現在のデジカメにはない“持つ喜び”を訴求できたのが成功の要因だ」と分析した。「もはや、価格だけの消耗戦を続けても意味がない。このようなコンセプトの製品が各社から投入されれば、コンパクトデジカメ市場が話題性や元気を取り戻すだろう」と語る。
デジタル一眼はミラーレス機の躍進が目立った
レンズ交換型のデジタル一眼は、販売台数が大きく落ち込むことなくほぼ横ばいで推移しており、コンパクトデジカメと比べれば比較的好調だという。価格は緩やかに下落しているが、平均単価はまだ6万円台を維持している。道越氏は「メーカーも利益を確保できているだろう」と分析する。
2011年は「なんといってもミラーレス一眼の躍進が目立った」と道越氏。2011年春ごろまで、デジタル一眼全体におけるミラーレス一眼の割合は約3割ほどだった。だが、夏ぐらいから各社がミラーレス一眼の新製品を相次いで投入したことで、直近では約43%ほどにまで比率が高まった。2011年に参入したニコンやペンタックスが好調だった点も見逃せないポイントで、「今後、さらに伸びていくのは間違いない」と言う。
ミラーレス一眼はフルHD画質+滑らかなオートフォーカスでの動画撮影機能が人気
ミラーレス一眼が支持されている理由の1つが、動画品質の向上だ。動画のフルHD化が急速に進んでおり、直近では約65%ものモデルがフルHDでの撮影に対応するほどになった。動画撮影時のオートフォーカス性能に不満があるデジタル一眼レフと異なり、ミラーレス一眼はビデオカメラ並みの撮影ができる。道越氏は「写真も動画もきれいに撮れるカメラとして注目が集まったのだろう」と見ている。
一方のデジタル一眼レフは、2011年春から販売台数の前年割れが続いている。ミラーレス一眼の人気に押されたこともあるが、タイの洪水の影響で一部メーカーの在庫がなくなったことも大きな要因として挙げた。「秋から年末にかけて、人気商品が在庫切れになったのが痛い。まだ影響が残っているが、春以降に復活してくるだろう」と語った。
2012年は各社から意欲的な新製品がお目見えしそう
富士フイルムの2機種の成功を受けて、各社とも同様のコンセプトのコンパクトデジカメを投入してくるのは間違いない。富士フイルム自身もミラーレス一眼の投入を表明しており、デジタル一眼のジャンルでも“持つ喜び”を訴求したモデルがお目見えするだろう。
1月10日(現地時間)から、ラスベガスにおいて家電見本市「2012 International CES」が開かれる。2月9日からは、パシフィコ横浜にてカメラ機器の展示会「CP+」が始まる。これらのイベントが開催されるタイミングでデジカメの新機種が多数発表されるのは間違いない。どのような製品が登場するか、楽しみに待とう。
(文/磯 修=日経トレンディネット)
最終更新:1月6日(金)11時33分
まだまだどう動くかも判らないし、買った後に更に高性能が出ないとも限らないので何時が買い時なのか判らないのもなぁ。
暗黒の稲妻