米財政赤字削減協議が決裂、格付け機関は格下げの兆し示さず
ロイター 11月22日(火)11時2分配信
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11月21日、米国の財政赤字削減策について協議していた超党派で構成する議会の特別委員会は、期限の23日までに合意することを断念。写真はオバマ大統領(2011年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 21日 ロイター] 米国の財政赤字削減策について協議していた超党派で構成する議会の特別委員会は、期限の23日までに合意することを断念した。その結果、税や歳出をめぐる民主、共和両党の対立は、2013年まで解消できない可能性が高まった。
米財政赤字削減の協議決裂:識者はこうみる
特別委員会の共同委員長を務めるパティ・マレー上院議員(民主党)とジェブ・ヘンサリング下院議員(共和党)は21日、委員会は連邦財政赤字削減策について合意できなかったとする共同声明を発表。「委員会は数カ月にわたり真剣な作業や議論を続けてきたが、期限までに超党派の合意を提示できないとの結論に達した」と表明した。
声明は「われわれは著しい見解の相違を埋めることができなかったが、米国は財政危機問題に取り組み、解決を将来の世代に委ねてはならないという信念を持って、このプロセスを閉じることにした」と述べた。
米国は膨大な財政赤字や国内総生産(GDP)とほぼ同じ規模に上る国家債務を抱え、赤字削減の必要性が叫ばれているにもかかわらず、民主、共和党とも2012年の大統領選挙や議会選挙を控えて歩み寄りの姿勢を見せず、協議決裂の発表直後から非難合戦が始まった。
オバマ大統領は、富裕層への増税を共和党が拒否したことが協議決裂を招いたと批判。「共和党は姿勢を変えようとせず、それが赤字削減策に関する合意の主な障害となった」と指摘した。
それに対し、共和党はオバマ大統領はリーダーシップを欠いていると非難するとともに、民主党が医療保険制度改革の抜本的な見直しを拒否したことなどが合意を妨げたと指摘した。
財政赤字削減協議が決裂した結果、2013年から1兆2000億ドルに上る支出削減策が自動的に発動されることになる。
支出削減は国防費を含めたあらゆる支出項目に適用されるが、一部の共和党議員はすでに、国防費の削減を阻止する意向を表明している。
それに対しオバマ大統領は、自動的な支出削減を回避しようとする動きには拒否権を発動する考えを示した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が「財政赤字削減協議の決裂は米国の信用格付けに影響を与えるものではない」との考えを示すなど、格付け機関は米国の格下げに動く兆しは見せていないが、実際に赤字削減に向けた姿勢が後退すれば、格付けが引き下げられる可能性がある。
S&Pは協議決裂について、8月に実施した格下げを正当化するものだと表明。
ムーディーズは、米国の信用格付けを分析する上で「参考にはなるが決定的な要因にはならない」との認識を示した。
フィッチは、財政赤字削減策や公的財政を持続可能な軌道に乗せることについて政治的なコンセンサスを得ることの難しさを鮮明にした、とした上で、11月末までに格付けの見直し作業を完了すると明らかにした。
今後、民主党は労働者に対する減税や失業保険給付の拡大など、今年末に期限切れを迎える景気刺激を目指した措置の延長を目指す方針。
アナリストは、それらの措置が打ち切られれば経済に悪影響をもたらすとみているが、共和党は1680億ドルに上るコストを埋め合わせるため、支出削減を主張するとみられる。
特別委員会の協議では、共和党は増税に頑なに反対する姿勢を和らげ、税制優遇措置の廃止などを求めてきたが、民主党は、それは富裕層の税負担軽減につながるとして拒否してきた。
最終更新:11月22日(火)14時3分
最近のアメリカは、自国へのあからさまな利益誘導をし過ぎ。
世界的に厳しい世の中になってきた気がするが。
他国へどんどん無茶を言い始めるぞ。
その中で一番言い易い国として日本が被害を被る。
同じ過ちを繰り返すな。
暗黒の稲妻
ロイター 11月22日(火)11時2分配信

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11月21日、米国の財政赤字削減策について協議していた超党派で構成する議会の特別委員会は、期限の23日までに合意することを断念。写真はオバマ大統領(2011年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 21日 ロイター] 米国の財政赤字削減策について協議していた超党派で構成する議会の特別委員会は、期限の23日までに合意することを断念した。その結果、税や歳出をめぐる民主、共和両党の対立は、2013年まで解消できない可能性が高まった。
米財政赤字削減の協議決裂:識者はこうみる
特別委員会の共同委員長を務めるパティ・マレー上院議員(民主党)とジェブ・ヘンサリング下院議員(共和党)は21日、委員会は連邦財政赤字削減策について合意できなかったとする共同声明を発表。「委員会は数カ月にわたり真剣な作業や議論を続けてきたが、期限までに超党派の合意を提示できないとの結論に達した」と表明した。
声明は「われわれは著しい見解の相違を埋めることができなかったが、米国は財政危機問題に取り組み、解決を将来の世代に委ねてはならないという信念を持って、このプロセスを閉じることにした」と述べた。
米国は膨大な財政赤字や国内総生産(GDP)とほぼ同じ規模に上る国家債務を抱え、赤字削減の必要性が叫ばれているにもかかわらず、民主、共和党とも2012年の大統領選挙や議会選挙を控えて歩み寄りの姿勢を見せず、協議決裂の発表直後から非難合戦が始まった。
オバマ大統領は、富裕層への増税を共和党が拒否したことが協議決裂を招いたと批判。「共和党は姿勢を変えようとせず、それが赤字削減策に関する合意の主な障害となった」と指摘した。
それに対し、共和党はオバマ大統領はリーダーシップを欠いていると非難するとともに、民主党が医療保険制度改革の抜本的な見直しを拒否したことなどが合意を妨げたと指摘した。
財政赤字削減協議が決裂した結果、2013年から1兆2000億ドルに上る支出削減策が自動的に発動されることになる。
支出削減は国防費を含めたあらゆる支出項目に適用されるが、一部の共和党議員はすでに、国防費の削減を阻止する意向を表明している。
それに対しオバマ大統領は、自動的な支出削減を回避しようとする動きには拒否権を発動する考えを示した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が「財政赤字削減協議の決裂は米国の信用格付けに影響を与えるものではない」との考えを示すなど、格付け機関は米国の格下げに動く兆しは見せていないが、実際に赤字削減に向けた姿勢が後退すれば、格付けが引き下げられる可能性がある。
S&Pは協議決裂について、8月に実施した格下げを正当化するものだと表明。
ムーディーズは、米国の信用格付けを分析する上で「参考にはなるが決定的な要因にはならない」との認識を示した。
フィッチは、財政赤字削減策や公的財政を持続可能な軌道に乗せることについて政治的なコンセンサスを得ることの難しさを鮮明にした、とした上で、11月末までに格付けの見直し作業を完了すると明らかにした。
今後、民主党は労働者に対する減税や失業保険給付の拡大など、今年末に期限切れを迎える景気刺激を目指した措置の延長を目指す方針。
アナリストは、それらの措置が打ち切られれば経済に悪影響をもたらすとみているが、共和党は1680億ドルに上るコストを埋め合わせるため、支出削減を主張するとみられる。
特別委員会の協議では、共和党は増税に頑なに反対する姿勢を和らげ、税制優遇措置の廃止などを求めてきたが、民主党は、それは富裕層の税負担軽減につながるとして拒否してきた。
最終更新:11月22日(火)14時3分
最近のアメリカは、自国へのあからさまな利益誘導をし過ぎ。
世界的に厳しい世の中になってきた気がするが。
他国へどんどん無茶を言い始めるぞ。
その中で一番言い易い国として日本が被害を被る。
同じ過ちを繰り返すな。
暗黒の稲妻