オリンパス買収資金 群がる金融ブローカー
産経新聞 11月21日(月)7時55分配信
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過去の損失計上先送りに関する記者会見で頭を下げるオリンパスの高山修一社長(写真:産経新聞)
大手光学機器メーカー「オリンパス」の損失隠し疑惑で、金融ブローカーらに巨額の報酬が渡っていた疑いが20日、明らかになった。ブローカーは反社会的勢力の周辺者と結びつきがあるとされ、損失穴埋めのために捻出された買収費用の一部は、こうした勢力の活動資金として流れた可能性も浮上。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は旧経営陣による損失隠しの手口を調べる一方、社外への資金流出にも関心を強めており、警視庁とも連携して資金の流れの全容解明を進める。
[フォト] アウトかセーフか…オリンパス上場維持のビミョーな判定
金融ブローカーは通常、資金繰りに行き詰まった企業の相談を受けて融資先を探し、手数料を得るのが一般的だ。だが、自ら不正な資金集めに加担することで多額の利得を得るケースもある。
ある捜査関係者は「業績不振の企業を見つけ、架空増資などで不正な金を引っ張ってくる例はあるが、オリンパスのように確かな実績のある会社の買収にブローカーが入り込むケースは珍しい」と話す。
オリンパスは一連の買収を行った平成18~20年当時、巨額損失穴埋めの処理を急いでおり、買収スキームの中心になったとみられる大手証券会社OBを軸に、“雪だるま式”にブローカーが群がったとみられる。
今回の買収スキームに関わったとみられるブローカーは10人前後にのぼり、いずれも国内外の銀行や証券会社を渡り歩いてきた経験を持つ。金融当局の監視が届きにくい英ケイマン諸島など、租税回避地のファンドを多用した巧妙な買収劇は、こうした複数のブローカーが人脈を結集して考案した可能性が高い。また、ブローカーの多くは銀行口座などで情報の秘匿性が高いとされるシンガポールを拠点としており、資金の流れを複雑化させている。
「指定暴力団山口組を含む犯罪組織に流れた」
オリンパスをめぐる一連の買収資金については、海外メディアでこう報じられるなど、暴力団の関与が取り沙汰されている。報酬を得たとみられるブローカーらは暴力団組員そのものではないが、反社会的勢力とともに経済活動を行う「共生者」とも接点があるとされる。このため、ブローカーの人脈をたどると暴力団組織と“地続き”といえる。オリンパスはこうしたブローカーらが実質支配するファンドの背後関係を知らぬまま、結果として資金提供をしていた可能性もある。
オリンパスが設置した第三者委員会が今月7日、森久志前副社長から事情を聴いた際、森氏は「買収資金は含み損の解消に利用されており、マネーロンダリングや反社会的な団体への還流はない」と説明していた。
オリンパスが損失の穴埋めに充てたのは(1)英医療器具会社「ジャイラス」買収の際、ケイマン諸島の助言会社に支払った約660億円の報酬(2)健康食品会社「ヒューマラボ」など国内3社の計734億円の買収資金-の2つに大別される。
両者の買収スキームこそ異なるが、国内3社の買収に関与した一部のブローカーは、ジャイラス社の買収にも関わっているとみられる。このため、特捜部と監視委など金融・捜査当局は、ブローカーが介在した国内外の2つの買収の関連性にも着目しているもようだ。
最終更新:11月21日(月)9時41分
何かどんどんと明るみになっていく度にいろんな事実が出てくるのだが…。
暗黒の稲妻
産経新聞 11月21日(月)7時55分配信

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過去の損失計上先送りに関する記者会見で頭を下げるオリンパスの高山修一社長(写真:産経新聞)
大手光学機器メーカー「オリンパス」の損失隠し疑惑で、金融ブローカーらに巨額の報酬が渡っていた疑いが20日、明らかになった。ブローカーは反社会的勢力の周辺者と結びつきがあるとされ、損失穴埋めのために捻出された買収費用の一部は、こうした勢力の活動資金として流れた可能性も浮上。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は旧経営陣による損失隠しの手口を調べる一方、社外への資金流出にも関心を強めており、警視庁とも連携して資金の流れの全容解明を進める。
[フォト] アウトかセーフか…オリンパス上場維持のビミョーな判定
金融ブローカーは通常、資金繰りに行き詰まった企業の相談を受けて融資先を探し、手数料を得るのが一般的だ。だが、自ら不正な資金集めに加担することで多額の利得を得るケースもある。
ある捜査関係者は「業績不振の企業を見つけ、架空増資などで不正な金を引っ張ってくる例はあるが、オリンパスのように確かな実績のある会社の買収にブローカーが入り込むケースは珍しい」と話す。
オリンパスは一連の買収を行った平成18~20年当時、巨額損失穴埋めの処理を急いでおり、買収スキームの中心になったとみられる大手証券会社OBを軸に、“雪だるま式”にブローカーが群がったとみられる。
今回の買収スキームに関わったとみられるブローカーは10人前後にのぼり、いずれも国内外の銀行や証券会社を渡り歩いてきた経験を持つ。金融当局の監視が届きにくい英ケイマン諸島など、租税回避地のファンドを多用した巧妙な買収劇は、こうした複数のブローカーが人脈を結集して考案した可能性が高い。また、ブローカーの多くは銀行口座などで情報の秘匿性が高いとされるシンガポールを拠点としており、資金の流れを複雑化させている。
「指定暴力団山口組を含む犯罪組織に流れた」
オリンパスをめぐる一連の買収資金については、海外メディアでこう報じられるなど、暴力団の関与が取り沙汰されている。報酬を得たとみられるブローカーらは暴力団組員そのものではないが、反社会的勢力とともに経済活動を行う「共生者」とも接点があるとされる。このため、ブローカーの人脈をたどると暴力団組織と“地続き”といえる。オリンパスはこうしたブローカーらが実質支配するファンドの背後関係を知らぬまま、結果として資金提供をしていた可能性もある。
オリンパスが設置した第三者委員会が今月7日、森久志前副社長から事情を聴いた際、森氏は「買収資金は含み損の解消に利用されており、マネーロンダリングや反社会的な団体への還流はない」と説明していた。
オリンパスが損失の穴埋めに充てたのは(1)英医療器具会社「ジャイラス」買収の際、ケイマン諸島の助言会社に支払った約660億円の報酬(2)健康食品会社「ヒューマラボ」など国内3社の計734億円の買収資金-の2つに大別される。
両者の買収スキームこそ異なるが、国内3社の買収に関与した一部のブローカーは、ジャイラス社の買収にも関わっているとみられる。このため、特捜部と監視委など金融・捜査当局は、ブローカーが介在した国内外の2つの買収の関連性にも着目しているもようだ。
最終更新:11月21日(月)9時41分
何かどんどんと明るみになっていく度にいろんな事実が出てくるのだが…。
暗黒の稲妻