<突風>民家100メートル飛ばされ3人死亡…徳之島
毎日新聞 11月18日(金)21時46分配信


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突風で住宅の基礎だけを残してなくなった吉田さん方=鹿児島県徳之島町轟木で2011年11月18日午後10時19分、森田隆徳さん提供
 18日午後7時5分ごろ、鹿児島県徳之島町轟木(とどろき)で突風が発生し、民家1棟が飛ばされた。県警徳之島署によると、約100メートル離れたサトウキビ畑で、この家に住む農業、吉田幸太郎さん(66)と姉多恵子さん(71)、同町亀津、阿部展久さん(70)が倒れていた。3人は病院に搬送されたが、死亡が確認された。他の民家でも窓ガラスが割れたり、屋根の一部が飛ばされるなどの被害が出た。

【住宅が跡形もなく…】

 鹿児島地方気象台によると、奄美地方には南から湿った空気が流れ込み、大気が不安定になっていた。同気象台は、突風は竜巻か、発達した積乱雲から冷えて重くなった下降気流が爆発的に吹き出す「ダウンバースト」ではないかとみている。奄美地方には午後6時55分、雷、波浪注意報が出ていた。

 同気象台名瀬測候所は午後10時40分、落雷と突風に関する気象情報を出した。奄美地方では19日夕にかけて落雷と竜巻など激しい突風の恐れがあるといい、警戒を呼びかけている。

 近所の人によると、吉田さんの家は民家がまばらな山間の集落の中にあり、近い家まで約100~150メートル離れている。家は古い木造平屋で、集落には飛ばされた民家の柱やトタン、畳が散乱した。

 轟木地区に住む登山(とやま)春美さん(67)は「家全体がガタガタと揺れるほど強い風が吹いた。一瞬地震かと思うほどで、しばらくしたら区長が『飛ばされた家がある』と伝えてきた」と話した。「みんな仲良く一緒に暮らしている集落。まさかこんなことが起こるなんて」と声を詰まらせた。

 近くに住む男性(62)は「大型ヘリコプターがすぐ上に舞い降りてきたかのようなバタバタという音が30秒から1分近く続き、びっくりした」と話した。

 近くに住む女性(84)は「周りの家に被害はなかったが、吉田さんの一軒だけポツリと跡形もなく消えていた。3人は畑に飛ばされて、消防の人が心臓マッサージを一生懸命やっていたのだが……」と話した。【山崎太郎、村尾哲、黒澤敬太郎】

最終更新:11月19日(土)15時22分

突発的な竜巻だと逃げようがないだろうしね。
亡くなられて方のご冥福をお祈りいたします。

暗黒の稲妻