あすG20開幕 ユーロ債務問題「早期解決策」はサミット期限
産経新聞 10月13日(木)7時55分配信

 【パリ=田村龍彦】ギリシャ債務危機を主要議題とする20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が14、15日にパリで開かれる。対応の遅れや足並みの乱れが目立つユーロ圏諸国に対し、政府債務問題の抜本的な解決策を早急に示すよう求める方針で、11月3、4日に仏カンヌで開かれるG20首脳会議(サミット)を期限とする方向で調整している。

 今月10日に電話会談を開いたオバマ米大統領とキャメロン英首相、サルコジ仏大統領は、欧州の債務問題について「断固たる決断が必要」との認識で一致した。14日からのG20会合でもこうした考え方を共有し、共同声明でユーロ圏諸国に早期解決を促す方向だ。

 財政危機国を救済する「欧州金融安定化基金(EFSF)」を通じた金融機関への資本注入策も話し合われる見通しで、各国政府による銀行の公的支援や資産の査定方法の見直し、国際通貨基金(IMF)の貸出枠の拡充なども議論。債務危機が金融危機へと発展することを全力で防ぐ姿勢を打ち出す考えだ。

 ◆日本は支援表明へ

 日本からは、安住淳財務相と日銀の白川方明総裁が出席する。EFSFが資金を集めるため発行する「EFSF債」の追加購入などを通じて支援することを表明する方針だ。

 安住財務相は「世界や市場に安心感を持ってもらえるようなスキーム作りを欧州に求めたい」としている。日本経済にとっては歴史的な円高の是正が最大の課題だが、欧州危機に伴うユーロからの資金逃避が円高の一因になっているとの観点から、債務危機の解決を強く求める構えだ。

 ギリシャに端を発した欧州債務危機は、イタリアやスペインといった域内の財政悪化国に波及。これらの国債を大量保有する欧州の金融機関は、巨額の損失リスクから信用不安が高まり、10日には仏、ベルギー系の金融大手デクシアが、事実上の経営破綻に追い込まれた。

 ◆牽引役失う恐れ

 2008年のリーマン・ショックと同じように金融機関が連鎖破綻すれば、企業や家計への融資が止まり、倒産が多発し個人消費も冷え込み、欧州経済は不況に陥りかねない。欧州金融機関と取引のある米金融機関にも損失が拡大する恐れがあるほか、欧州が最大の貿易相手である中国など新興国の経済も失速し、世界経済は牽引(けんいん)役を失いかねない。

最終更新:10月13日(木)11時25分

断固たる決断が必要…では何処をどうするんだろう…。

暗黒の稲妻