琵琶湖のカワウ、県外に大移動? 広域連合で駆除対策へ
産経新聞 9月27日(火)15時30分配信


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琵琶湖周辺に生息するカワウ(写真:産経新聞)
 全国最大規模の営巣地があり、フン害による樹木の枯死や漁業被害など深刻な影響をもたらす琵琶湖周辺の害鳥・カワウが、滋賀県の駆除で前年の半数近くに減少する一方、兵庫県や大阪府、和歌山県など2府3県で計約7500羽が生息していることが、各府県の初の本格調査で分かった。駆除を逃れてカワウが近隣府県に大量移動した可能性があり、関西広域連合は来年度、広域対策に乗り出す方針を決めた。

 カワウはペリカン目ウ科の水鳥で、樹木に巣をつくる。全国に約6万羽が生息し、うち約半数が琵琶湖の竹生(ちくぶ)島(滋賀県長浜市)、葛籠尾崎(つづらおざき)(同)、伊崎半島(同県近江八幡市)の3カ所にいるとされる。

 県などによると、琵琶湖では天敵のヘビやトンビなどの影響を受けにくく、個体数が自然に減少しないという。アユなど毎年約2800トンの魚がカワウに食べられ、周辺の森林はフン害で木が枯れるなど約24万平方メートルに被害が出ている。

 このため、滋賀県は平成16年から本格的な猟銃駆除を始め、毎年夏場に約2万羽を駆除。しかし、個体数はなかなか減らず、ここ数年2万~4万羽程度で推移していた。

 ところが、今年5月の調査では、竹生島など主な生息地3カ所の生息数は計1万2415羽で、前年の2万2569羽からほぼ半減。同島では1万4155羽から1015羽に激減した。滋賀県全域では1万3579羽が確認された。

 一方、近隣府県では関西広域連合発足に伴い今年5~6月、2府3県が滋賀県と協力し初めてカワウ生息調査を実施。兵庫県2914羽▽大阪府1985羽▽和歌山県1403羽▽徳島県874羽▽京都府372羽-の計7548羽が確認された。

 兵庫県では、夜間、集団で過ごすねぐらが明石市や小野市などの20カ所で見つかった。揖保川河口付近(たつの市)ではフンによる樹木の枯死が確認されたほか、漁業被害を訴える関係者もいるという。

 滋賀県自然環境保全課は「琵琶湖では駆除の成果が出始めているが、カワウが滋賀を離れ、県外に分散した可能性もある」と指摘。兵庫県自然環境課は「カワウの『供給源』は琵琶湖。住宅密集地が多い兵庫県では、猟銃による駆除は難しく、広域的な対応が必要だ」としている。

 このため、関西広域連合は、来年度に滋賀県を中心としたカワウの広域的な対策に乗り出す方針を決定。今年中に各府県がさらに2回の調査を行い、カワウの分布状況を把握した上で、効果的な駆除計画をまとめることにしている。

最終更新:9月27日(火)17時31分

琵琶湖のカワウ、県外に大移動という記事。
まぁ鳥なので移動してるだけだと思うが。

暗黒の稲妻