<名古屋市バス虚偽報告>「みんなやっている」関係者が証言
毎日新聞 9月2日(金)2時13分配信

 名古屋市営バスの事故報告書の虚偽記載問題で、警察への事故不届けなど過去にずさんな内部処理に関わったことのある市交通局の関係者が、毎日新聞の取材に対し「上司の指示を受け、事故件数を減らすため、うその事故報告書をでっち上げたことがある」「(ずさんな事故処理について)罪悪感はなかった」などと証言した。また、ずさんな処理について「前例を踏襲していた」と話し、常態化していたことを明らかにした。

 この関係者は、市バスのずさんな事故処理を巡る毎日新聞の記事を読んで「これまでの事故処理を改善できるいい機会だと思った」と、取材に応じることにしたという。

 この関係者が作成にかかわった虚偽の報告書の一つは、営業所構内でバス同士が衝突した事故。2台合わせた被害額は10万円以上となり、内規上は「事故」扱いとなるケースだった。しかし、当時の営業所長の指示で、バスが構内の柱などにぶつかった事故が2件あったとする報告書2通を捏造(ねつぞう)。それぞれのバスの被害額を10万円未満になるようにして、事故にはカウントしなかったという。

 こうしたずさんな事故処理について、この関係者は「みんながやっているから、罪悪感はなかった」と話す。その後の事故を巡り、上司の捏造指示を拒否したこともあったが「結局は、私に代わり同僚が担当することになっただけだった」という。

 市交通局は今年度も10年度に比べ事故を5%減らすとの目標を掲げ、安全報告書などで公表している。この関係者は「営業所長ぐらいの立場だと(こうした目標は)重圧ではないか。現場では数字を減らすのに躍起で、うまく処理をまとめられない担当者に『無能だ』『何でうまくまとめられないのか』と言う所長もいた」と証言した。

 また「事故件数を操作するこれまでの事故処理の在り方は(営業所長などによる)自分たちの点数稼ぎにほかならない」と批判。「現場は事実だけを報告するように改め、本庁(市交通局)は現場に判断を任せず、すべての事故の処理をすべきだ」と訴えた。

 市交通局幹部は問題発覚後の8月25日の記者会見で、今後の事故処理の在り方について「すべてのケースについて警察に届け(事故の)相手方にも報告するよう改める」と改善策を説明している。【福島祥、稲垣衆史】

最終更新:9月2日(金)12時4分

皆がやってるから俺もやるっていうのもな。
罪悪感の欠片もないのかね。

暗黒の稲妻