<ミャンマー>ネット規制を大幅緩和…ユーチューブ閲覧可能
毎日新聞 9月1日(木)2時32分配信

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ヤンゴン市内のインターネットカフェで、接続規制が緩和されたインターネットを利用する若者たち=2011年8月30日、毎日新聞通信員撮影
 【バンコク西尾英之】3月の「民政移管」で就任したテインセイン大統領が柔軟姿勢を打ち出すミャンマーで、民主化組織系などのインターネットサイトへの接続規制が大幅に解除されたことがわかった。政権が進める情報公開政策の一環とみられ、国内には歓迎の声が広がっている。

 最大都市ヤンゴンのインターネットカフェによると、8月26日から接続規制が緩められ、タイを拠点とする民主化勢力系誌「イラワディ」のサイト▽英BBCのニュースサイト▽世界的な動画投稿サイト「ユーチューブ」▽検索サイト「ヤフー」を利用した電子メールサービス--などへの接続が可能になった。

 イラワディは民主化勢力や少数民族寄りの視点からミャンマー情勢を詳報。ユーチューブには07年の市民による反政府デモなどの映像が多数投稿されている。00年制定のインターネット法では、反政府的なサイトの閲覧は違法だが、今回、公式発表はないものの、政府はこれらのサイトの「閲覧禁止」を取り消し、接続規制を解除した可能性がある。

 一方で、ノルウェーに拠点を置く「ビルマ民主の声」(DVB)などの民主化運動系サイトは依然、閲覧できない。

 地元誌「ミャンマー・ポスト・グローバル」のリンボーボー記者は、規制緩和を歓迎した上で「政府は一歩ずつ規制を解除し、それが市民による反政府運動につながらないか試しているのではないか」と語った。

 ◇国営メディアも変化

 ミャンマーのテインセイン政権は8月に入り、民主化運動指導者アウンサンスーチーさんとの対話や少数民族武装組織への停戦呼びかけなど、柔軟政策を矢継ぎ早に打ち出した。情報や報道の分野でも、チョーサン情報相が政府報道官に任命され、8月12日、外国報道機関の通信員を首都ネピドーに招いて初の記者会見も開いた。

 政府の主張を一方的に伝えるだけだった国営メディアにも変化の兆しが見える。

 国営3紙に連日掲載されていた、英BBCやボイス・オブ・アメリカなど海外メディアを名指ししての「殺人放送局」「憎しみをまき散らす」などのスローガンが、8月中旬から消えた。政府関係者はAFP通信に「我々はもっと多くの別のニュースを掲載するよう望んだ」と述べた。

 一方で、26日には「ビルマ民主の声」に反政府的な情報を流したとして4月に逮捕された軍の元士官が、特別法廷で禁錮10年の厳しい有罪判決を受けた。地元記者の間には「政府の柔軟路線がどこまで本気かは、もう少し見極める必要がある」との慎重な意見が少なくない。

 ◇ミャンマーのインターネット◇

 都市部ではネットカフェの増加で利用者が増えているが、国際電気通信連合の統計では、利用率は人口の0・22%(09年)と世界でも最低水準。ネットが民主化運動に利用されることを恐れた軍事政権が、ネット回線の導入費用を高額に設定して普及を抑えてきた。接続規制は軍の武力弾圧に発展した07年の反政府デモ以降、一層強化されたが、一部利用者は特殊ソフトを使って禁止サイトも閲覧していた。

最終更新:9月1日(木)8時31分

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