『Firefox』サイクル短縮の利点と盲点
japan.internet.com 8月27日(土)12時31分配信

ここ数日、Mozilla Foundation の短縮リリース サイクルをめぐる議論が沸騰している。その多くは、Mozilla の会長 Mitchell Baker 氏の Blog 投稿に端を発するものだ。

Baker 氏の投稿は、Mozilla コミュニティをはじめ各所に多くの懸念を引き起こしている新サイクルを擁護する内容だ。Baker 氏いわく、ブラウザはもっとインターネットのようになる必要があるという。

「ブラウザをインターネットのインターフェースにしたいなら、ブラウザ自体をインターネットのようにする必要がある。つまり、準備が整いしだい機能を提供するということだ。その結果が短縮リリース プロセスだ」と Baker 氏は記している。

高い次元の話としては、筆者も Baker 氏とまったく同意見だ。イノベーションは1年に1度や2度ではなく、年間を通じて起きる。ならば、こうしたイノベーションの速度に見合うようなブラウザを開発するべきだ。

またこれは、『Linux』カーネルで見事に機能しているモデルでもある。Linus Torvalds 氏は3か月ごとに新たなカーネルを公開しており、おかげで Linux は多くの市場 (特にサーバー市場) において『Windows』よりも相当な優位に立っている。同様に、Mozilla の『Firefox』が、Google の『Chrome』と同等またはそれを上回るペースで更新することは、理にかなったことだ。

これまでは、たとえ Mozilla が最初に取り組み始めたものであっても、先に新機能を実装するのはたいてい Chrome のほうだった。

しかし別の見方をすれば、変化が激しすぎるとかえって Web を壊すことになる。インターネットは確かに変化するが、短縮リリース サイクルの変化の速さには遠く及ばない。現在、インターネットの閲覧に用いられているブラウザの多くは、最新または最高のバージョンでない可能性が高いからだ。

これは、1998年に『Internet Explorer』(IE) と『Netscape Navigator』が比較的速いペースでバージョン番号を更新しあっていたころ、われわれが経験した問題だ。Web 開発者だった筆者は、常に最新の標準を採用する必要性を顧客に説いていたことをよく覚えているが、結局のところ問題は常に、ユーザーが実際に何を使っているかというところに行き着くのだ。筆者は Web 開発者として、好むと好まざるとにかかわらず、サイトを壊さないため常に顧客の最低水準に合わせて開発しなければならなかった。それと同じことが現在にも当てはまる。

最終更新:8月27日(土)12時31分

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