上野順、完全アウェーで敗退…研究された女子63キロ級
産経新聞 8月26日(金)1時20分配信


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試合会場を出る上野順恵(左)=25日、フランス・パリ、ベルシー体育館(門井聡撮影)(写真:産経新聞)
 柔道・世界選手権第3日(25日、パリ)四方には敵意むき出しのパリの観衆。決勝のエマヌには組み手を嫌われ、じっと戦機をうかがう忍耐の勝負。上野の体落としは掛けてもつぶれ、大外刈りは急所に遠い。旗判定は3本とも相手になびき、3連覇への挑戦は勝者への喝采の中で静かに幕が引かれた。

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 大会前、国際柔道連盟(IJF)から「現役最高選手」の表彰を受けた。女子63キロ級で世界選手権を2連覇。胸を反らせていい快挙なのに、上野といえば黒のシックなドレスで、式典会場のオペラ座にそろりと現れた。報道陣の前で顔を赤らめ、「年相応に。もっと派手な服で来ればよかった?」。肩をすぼめる28歳の世界女王は、いつもこの調子だ。

 勝ち続ける義務を負わされたこの2年、控えめな気質が暗い影を落としているようだ。「思い切りいくという昔のような気持ちがなくなって」。手数で勝負するファイターが昨今は小さくまとまり、守るものの重みに耐える試合が増えた。

 姉の雅恵さんは五輪を2連覇、世界選手権も2連覇した。「コーチから怒鳴られても平然。徹底した我が道タイプ」と上野。どんな風雨にも動かない姉の図太さが、妹の目にはまぶしい。

 この日6試合で延長戦は3度。女王とて相手の研究で裸にされた今、これまでのような快進撃を続けるのは難しい。先頭で走り続けた日々は、これで小休止。重しが取れたのか、表彰台の上野からは白い歯さえこぼれた。(森田景史)

最終更新:8月26日(金)8時55分

決勝という大きな舞台で負けたのだからき今後の糧としてほしいね。
腐ることなく今まで以上に頑張ってほしいけど。

暗黒の稲妻