<セシウム汚染>流通全頭分牛肉買い取り 農水省が追加対策
毎日新聞 8月5日(金)22時13分配信

 肉牛の放射性セシウム汚染問題で、農林水産省は5日、汚染された稲わらを食べた牛のうち流通した肉は、セシウムが暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えていないものも含め、すべて国費で買い取る追加支援策を発表した。全頭・全戸検査の実施県の全肥育牛については1頭当たり5万円を農家に支援する。総額857億円の見込みで、東京電力に請求する。

 農水省によると、買い取り対象は5日現在で17道県(北海道、東北6県、東京と神奈川を除く関東5県、新潟、岐阜、静岡、三重、島根)産の約3500頭分。既に3分の2が消費されており、実際に買い上げて焼却処分するのは約1200頭分(378トン)と推定される。また、出荷制限された福島、宮城、岩手、栃木の4県産で汚染稲わらを食べていない牛の肉は保管経費を立て替える。

 農家への支援は、北海道、埼玉、千葉、岐阜を除いて全頭・全戸検査をする13県で実施する。

 出荷した牛の価格が下落した場合には、その下落分も支援する。また、出荷制限4県の出荷遅延牛を県側が買い取る場合は、国が費用を負担する。

 7月26日発表の緊急対策は、国の暫定規制値を超えた肉に限って、食肉流通団体が金融機関の融資で買い取る▽農家に対する5万円の支給は出荷遅延牛に限る--などの内容だったが、支援の範囲を拡大した。

 鹿野道彦農相は「安全な肉しか出回らない態勢を築く。消費者からも理解され、農家からも評価してもらえるのではないか」と述べた。【佐藤浩】

最終更新:8月5日(金)23時55分

記事のみ紹介としておきます。

暗黒の稲妻