ケータイからスマホに乗り換えても大丈夫? サービスの対応状況を徹底調査
nikkei TRENDYnet 8月4日(木)11時8分配信


ケータイで利用してきた機能は、スマートフォンでも同じように使えるのか――通話やメール、ワンセグからコンテンツまで、各キャリアの対応状況を調べた。
 ケータイで利用してきた機能は、スマートフォンでも同じように使えるのか──。従来のケータイからスマートフォンへの乗り換えを考える人の、こんな声をよく耳にする。

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 そこで、電話やメールといった基本機能から、「赤外線通信」「ワンセグ」「おサイフケータイ」という3つの日本独自機能まで、アンドロイド搭載スマートフォンでの対応状況を調べた。

 まず、基本機能である通話。圏外や電源オフ時に必要となる留守番電話サービスや、迷惑電話をブロックする着信拒否設定は、ケータイキャリア3社とも対応。自分にかけてきた相手に聞かせる待ち受け音楽サービスのみ、ソフトバンクが非対応だ。なお、キャリアによって料金や申し込みの要・不要などの違いがあるので要注意。また、スマートフォンには簡易留守録機能がない機種もある。

電 話

通話機能はケータイと同様留守番サービスはキャリアに違い

 スマートフォンには、ケータイのような簡易留守録機能(伝言メモ)がない機種がある。auとソフトバンクの留守番電話サービスは申し込み不要で無料だが、ドコモは申し込みが必要で有料だ。その他の通話に関する機能にも各社ほぼ対応するが、料金に違いがある。

 

 次にメールについて。ケータイキャリアが提供するキャリアメールはスマートフォン用のプロバイダーサービスに加入すれば利用できる。また、デコレーションメールや顔文字・絵文字にも各社対応しているので、ケータイと同じ感覚でメールを送ることが可能だ。

メール

キャリアメールも使用可能デコメ、絵文字にも対応

 「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」などのキャリアが提供するメールアドレスは、各社が提供するスマートフォン用のプロバイダーサービスに申し込めば利用できる。ケータイのアドレスを引き継ぐことも可能。ケータイでは当たり前になった、顔文字やデコレーションメールも各社対応している。

 

 アドレスや画像の交換に使う赤外線通信機能やワンセグ機能への対応も進む。赤外線通信機能は、今年の夏モデルではドコモの一部機種などを除いて搭載された。ワンセグ機能は、視聴は可能でも録画ができないものがあるので、機種選びには注意したい。

赤外線

多くの機種が赤外線通信に対応夏モデルはドコモの一部が非搭載

 電話番号やメールアドレス、さらに画像などを交換する際に使用する赤外線通信。夏モデルでは、ドコモの一部機種などを除き、ほとんどに赤外線通信機能が搭載されている。従来のケータイとの通信も可能。

ワンセグ

ワンセグ機能も続々搭載録画の可否は要確認

 国内メーカーの機種を中心に、ワンセグ視聴が可能なモデルも増えてきた。大画面のスマートフォンはワンセグとの相性が良い。Gガイド番組表も、6月末にauが対応したことで、全キャリアで利用可能に。ただし、視聴はできても録画ができない機種もある。

 

 おサイフケータイ機能は、他の機能と対応状況が異なる。昨年11月に日本初のフェリカ搭載スマートフォン「IS03」がauから発売されて以来、搭載機種が増えているが、実際にサービスが使えるかどうかはサービスを提供する会社のスマートフォンへの対応状況による。電子マネー系を見ると、EdyやQUICPay、WAON、ドコモのiDはスマートフォンで利用可能だが、nanacoは年度内に対応の予定。また、航空会社のチケットレス搭乗サービスもANAは対応済みだが、JALの対応時期は未定だ。

 大きな変化が、7月23日に「モバイルSuica」がスマートフォンに対応したこと。乗車券・定期券利用に加え、電子マネーの利用者も多く、スマートフォンユーザーや乗り換えを考える人には朗報だろう。ウィジェット機能で残高を簡単に確認できるなど、スマートフォン独自の機能も搭載される。

おサイフケータイ

フェリカ機能の搭載は進むnanacoなど非対応のサービスも

 電子マネーやポイントカード、乗車券・航空券などとして使えるおサイフケータイ。おサイフ機能を搭載するスマートフォンは増えたが、サービスの開始は提供会社の対応によるため、nanacoのように現在はまだ利用できないサービスもある。なおEdyは、ためられるポイントの種類を選ぶことができるが、スマートフォンでの支払時には選択できないポイントもあるので注意が必要だ。

 

 また7月20日には、ケータイ文化の象徴的サービスである着うたが、ドコモのアンドロイド端末からスタートした。着うたフルも、まもなく開始予定だ。加えて、グリーやモバゲーといったケータイゲームも、徐々にスマートフォン対応アプリが増えている。必要な機能が搭載された機種を選べば、アンドロイド搭載スマートフォンはケータイと同じような使い方が可能になるといえるだろう。

着うた

レコチョクがサービスをスタートケータイ用と同曲数が配信される

 7月20日、レコチョクが着うたの配信をドコモのアンドロイド端末から開始した。これまでもスマートフォン向けの音楽配信はあったが、着うたのように曲のサビなどを着信音として使用する設定はなかった。ケータイと同じ曲数が配信される予定。

 

ドコモはスマホを“iモード化”

 アンドロイド搭載スマートフォンの基本機能は、ケータイに近いものとなった。しかし、“ケータイのように使う”だけでは、スマートフォンである必要はない。スマートフォンの最大の特徴は、アプリを追加することで自分に必要な機能を拡張できる点だ。

 アンドロイド用アプリは、7月時点で約20万あり、それらを公式サービスアンドロイドマーケットなどで入手できる。ただ、iPhoneの「App Store」ほどには使い勝手が洗練されていないため、目的のものを探すのが難しい。また、審査なしに誰でもアプリを配布でき、ウイルスが仕込まれたアプリを実行するとスマートフォンが感染する恐れもある。

 そこでキャリア各社は、「キャリアが薦めるアプリ」を安心・安全に手に入れられることを売りに、自社のアプリマーケットを用意。「ドコモマーケット」は、ドコモのスマートフォンのブラウザーで購入時から「ホームページ」として登録されており、「購入者のおよそ8割が利用している」(NTTドコモ)。なお、アンドロイドマーケットでのアプリの購入代金は基本的にクレジットカード払いとなるが、各キャリアでは、通話料金などとまとめてアプリ代金を支払うことができるサービスを用意している。

●ドコモマーケット

●au one Market

●@アプリ

 また各社は、スマートフォン向けの独自サービスの展開にも力を入れ始めている。例えばドコモは、セキュリティなどのスマートフォン特化型サービスに加え、iモードで提供してきたサービスのスマートフォン対応を進める。3月には動画配信サービス「BeeTV」、6月には最新のニュースや天気情報などを待ち受け画面に表示する「iチャネル」がスマートフォンに対応した。スマートフォン版のBeeTVでは、Wi-Fiを利用してケータイより高画質な映像の視聴が可能だ。

 「今まで使ってきたサービスがそのまま使えることで、スマートフォンに詳しくない人が乗り換えるきっかけになればと考えている」(ドコモ)。

NTTドコモ

iモード向けサービスの移行に注力

 ドコモでは、ケータイからスマートフォンへの買い替えを狙い、iモード向けサービスがスマートフォンへと移行されている。3月には動画配信サービス「BeeTV」が、6月には「iチャネル」がスマートフォンに対応した。「できるだけ早く、iモードサイトやコンテンツもスマートフォンで見られるようにしたい」(ドコモ)という。

BeeTV

iチャネル

 

 対するauは、スマートフォン向けサービスとして「LISMO unlimited」を6月にスタートした。このサービスは、約100万曲の楽曲が聴き放題。楽曲データはクラウド上にあり、データを端末にダウンロードする必要がない。データ量を気にせずに聴きたい曲を持ち歩く感覚で使える。また、SNSとの連係などスマートフォンならではの機能も用意されている。ただし、現在の配信曲は洋楽中心のため、利用者は限定されるだろう。

 「スマートフォンの楽しさを知ってもらいたい。EZwebで提供するサービスも、スマートフォンに合ったものだけを移行していく」(KDDI)。

au

スマホならではの音楽サービススタート

 auでは、スマートフォンの特性を生かしたサービスが導入されている。「LISMO unlimited」は、洋楽を中心とする約100万曲が聴き放題のサービス。この他、全国のFM民放52局が聴ける「LISMO WAVE」などエンターテインメント系サービスが多い。ケータイ向けサービスは、スマートフォンに合ったものだけが移行される傾向だ。

LISMO WAVE

LISMO unlimited

フィットネス

 

 残るソフトバンクは、他社に比べると自社で提供するアンドロイド向けの独自サービスはまだ多くない。現状で充実するのは、動画系と電子書籍系サービス。「ムービーLIFE」は映画や海外ドラマが月額490円で見放題。電子書籍には、書籍やコミック、雑誌、新聞を読めるサービスがある。

ソフトバンク

動画や電子書籍サービスが売り

 ソフトバンクのスマートフォン向け独自サービスは、他の2社と比べるとまだ数が少ない。ただし、月額490円で映画やドラマが見放題の「ムービーLIFE」や、幅広いラインアップの電子書籍サービスなどが用意されている。クーポン券などが利用できる「とくするライフ」も6月からスマートフォンに対応。

ムービーLIFE

電子書籍

 

 日経トレンディ9月号では、実際にケータイから乗り換えるならどのスマホにすべきなのかを、処理速度やバッテリー、各種のサービスへの対応度、基本的な電話機能まで含めて徹底検証した「最新スマートフォン辛口通信簿」を掲載。また、料金プランの選び方やセキュリティ対策などの活用術についてもまとめている。

(文/羽田健治=日経トレンディ)

最終更新:8月4日(木)11時8分

今稲妻は普通の携帯だけど何れ切り替えないといけないので参考にさせて貰おう。

暗黒の稲妻