サウジの下着店で女性店員採用の動き、育成費は店舗負担
ロイター 8月2日(火)10時58分配信

 [ジッダ(サウジアラビア) 31日 ロイター] 男性と接触する機会のある公共の場で女性が働くことを禁止しているサウジアラビアで、政府の指示により、女性下着店の男性店員をすべて女性に入れ替える取り組みが進められている。ただ、女性店員の育成費用や男性の立ち入りを禁止するための警備員の配置など、各店舗の経済的負担は重く、ビジネス上の問題は多いという。

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 サウジアラビアの女性は現在、自分が着用する下着を男性店員から購入しなければならず、気まずい思いをしているという。政府はこれまでに女性店員を雇うよう各店舗に呼びかけているもののあまり浸透しておらず、労働省は7月11日、半年以内に店員を女性に入れ替えるよう通達を出し、従わない下着店を閉鎖すると発表した。

 ジッダにある女性下着店店長は、通達について新聞で知ったとし、経営陣からは何の指示も受けていないとコメント。「通達の効果はあるだろう」とした上で、「(店員候補の女性を)一から育成しなければならず、政府が期待するペースでは(改革は)進まない」と述べた。

 女性店員を雇用する店舗は、店員の育成費用を負担するほか、女性が働いている店内を外からのぞかれないよう店のウィンドウディスプレーを覆い、営業時間中は男性が入店しないよう監視する男性の警備員を雇う必要がある。

 サウジアラビアの大手女性下着メーカー「ナヨミ」は、2004年に出された政府の最初の通達に従い、当初は男性店員を女性に入れ替えたが、その1年後には再び男性店員を採用した。ナヨミのあるマネジャーは、店員を女性に入れ替えた後に多くの問題に直面したと説明。金銭的にも「(改革から1年で)1000万リアル(約2億0600万円)以上を失った」と述べた。

 男性の入店を禁止することでその分の売り上げが減少するほか、警備員の雇用などセキュリティー維持費用の増加、ウィンドウディスプレーを通じての販促活動ができないことや、夕方以降の勤務を望む女性店員の不足などが経営を圧迫するという。ナヨミのマネジャーは、店員をすべて女性に入れ替える費用は200万リアルを超えると見積もっている。

 一方で、現在男性店員400人を抱えるある下着販売グループは、女性200人に対する育成トレーニングを開始している。同グループ傘下のブランドのマネジャーは、政府の通達を歓迎するとコメント。「世界的にみて女性の下着店は女性が経営しており、特に(サウジアラビアのような)保守的な国ではそうあるべきだ。多くの女性が男性店員から下着を購入することを恥ずかしく思っている」と述べた。

最終更新:8月2日(火)11時29分

それは何処の国でも男性店員から下着を買うのは嫌だろうから判らなくもないが。
信仰も文化も自由だが、この状況がより良い生活につながるとは思えない。

暗黒の稲妻